書籍評 山本文緒

プラナリア   山本文緒 著

投稿日:2009-06-21 更新日:

第124回 直木賞受賞

<あらすじ>

・プラナリア

乳がんと診断され、手術。現在も通院治療をしている主人公。
これといった定職にもつこうという意欲が湧いてこない。
主人公の病気のことを理解して、付き合ってくれる恋人もいるがその彼との関係も・・?である。
これから彼女はどこへいくのだろうか・・?

・ネイキッド

バリバリのキャリアウーマンでやってきた主人公。
そこで知り合った老舗店の独り息子と結婚。
結婚後はその店を繁栄させることを生きがいとしてがんばってきたのに、そのことがきっかけで夫婦関係は破綻する。
今の暮らしは・・・?そんな女性のこれからを書いた作品。

・どこかではないここ

普通の家庭にリストラの波がかぶってパートに出ることになった話。

・囚われ人のジレンマ

大学院の彼がいる主人公。彼とは長い付き合いでアツアツの恋人同士ではないけれども居心地のいい関係である。
ある日、その彼から「そろそろいいよ」っと言われる。
その「そろそろいいよ」は『結婚』を意味しているのだが、その言い方はなんなんだ?っとひっかかるところから始まる話。

・あいあるあした

主人公は居酒屋の主人。家庭を持っていて子供もいたが、今は独り身である。
すみ江という女性と暮らしているが、そのすみ江は謎の女である。
惰性で生きる男の話。

 

<感想>

私的には、「囚人のジレンマ」が1番好き。

「そろそろいいよ」っと言われてどうして『結婚』しなきゃいけないのか・・・。

なんでもないことだけれど、それにこだわる主人公の気持ちを私はとても理解できる。

「ネイキッド」もなかなかいい。

一生懸命、夫のために店のためにやってきたのに、それを全否定されたとき、たまらない喪失感が主人公を襲う。いったい自分はなんのために生きてきたのか?これから自分はどこへいくのか・・?

山本文緒作品はいつも、どちらかと言うとまじめで、きちんと生きなきゃとわかってはいるが、いまいち努力することができない人物を描くとピカイチだ。

-書籍評, 山本文緒

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