ニート 絲山秋子 著

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20090507_690660<あらすじ>

現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。
かけだしの女性作家と、会社を辞め、引きこもりをつづけて困窮を極める青年との淡い関係を描く表題作。
大阪の彼女と名古屋の育ての母との間で揺れる東京のホテルマンを描いた「へたれ」など「ベル・エポック」「2+1」「へたれ」「愛なんかいらねー」5編からなる傑作短篇集。

<感想>
この短編集は大衆ウケはしない小説でしょう。
「愛なんかいらねー」は今までの作品では避けてきていたセックス描写を真っ正面から描いているワケですが、コレがいきなりのアブノーマルセックス。
さすがの私も引いてしまいました。
身体を重ねることで心の寂寥感や孤独を埋めると言う感情を表現したかったのだろうけれど、ここまで描かなくても・・。

「ニート」の後日談が「2+1」なんでコレは時系列のある連作と言っていいでしょう。彼なりの理由があってニートになっている男友達に、ろくでなしで役立たずだと知りながらも、
「かつて私もニートだった」「かつての私を救うのだ」と救いの手を差し伸べずにはいられない女。私には理解できない世界で淡々と読みました。
文章は巧いと思うし、絲山色だけど、全否定しないまでも好きとは言えない短編小説でした。私は「ベル・エポック」と「へたれ」になんとか救われてました。

コメント待ってます♪

  1. 粋な提案 より:

    ニート 絲山秋子

    どうでもいいって言ったら、この世の中本当に何もかもどうでもいいわけで、
    それがキミの思想そのものでもあった。

    クールな文章。働かな…

  2. 藍色 より:

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