彼女がその名を知らない鳥たち  沼田まほかる 著

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20110614_2233280<あらすじ
八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳年上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが・・・。 衝撃の長編ミステリ-。

<感想>
読み始めてすぐ、主人公の十和子の心根キライだと思った。下品で貧相で小汚いと生理的嫌悪感する陣治に頼って暮らし、おまえはなにをやってんだよと怒りを持ったし、別れた男を八年も未練たらしく引きずっていることも不快だ。そして何よりも関西人の私が読んでもイヤになるほど陣治の話す大阪弁が不愉快なのだ。とにかく不愉快だらけの読み心地なのに、それでも先を読ませる魅力がある小説で、途中でやめようとは思わず、十和子が黒崎に何をされたのか知りたい。陣治がほんとうに黒崎を殺ったのか知りたいと読んでいた。 そう思いながら読み進めるうちに、陣治は十和子が言うほどの下品で貧相でみすぼらしい男ではなく、十和子の方が、精神的にも人格的にもおかしいんじゃないのか?と思えてくる。 中盤、均衡を保てなくなったのか陣治がおかしくなるくだりがあるのだけれど、あれは何の意味だったのか?その部分が不明だが。 ミステリージャンルとなっているのでネタバレは避けて感想を書くが、展開、結末はそちらへ着地かっと言う感じ。悪くはないのだけれど、その方向に進むなら前半が少し長い気する。 結局、十和子は黒崎と別れた時点で壊れてしまってたと言うことなのだろう。 こんな風に自尊心が低い女性になっちゃイケナイ。女性は死ぬまで気高くいるべきだ。 今後、沼田まほかるを読破するか否か・・・思案中。

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