書籍評 井上荒野

「不格好な朝の馬」  井上荒野 著

投稿日:2011-07-19 更新日:

20110719_2282985<あらすじ>
夫の恋をもう許さないことに決めた妻。その夫と恋人の奇妙な旅。教え子との関係に溺れる教師。その教師の妻の新しい習慣。決して帰ってこない男を待つ女。その女が忘れられない別の男ー。ありふれた団地を舞台に、交わり、裏切り合う恋と運命。日常が孕む不穏な空気を、巧みに掬い上げた連作小説集。
 
<感想>
井上荒野さんの小説はコレで4冊目。本屋で迷ったら結局井上さんの小説を探して買ってしまうこの頃。小説に流れる空気感が好きなんです。
本書は連作短編小説です。
1つ1つは短編で完結していますが、その中のサブ配役の登場人物が違う短編では主役となる続きもの。つまりは先に読んだ小説のサブ役割の見えなかった<ほんとうのところ>が他の短編で読めるワケでなかなか興味を引きます。
表題の「不格好な朝の馬」を含む7編。
「不格好・・・」は演出家哲雄の浮気にうんざりし離婚を決意した菊絵が主役の話。
「クリームソーダ」は菊絵の娘:悠の友だちルイが美術教師と付き合っている話。
「額縁の犬」は喫茶店主:千早が主役の話。
「鹿田温泉」は1話目の哲雄と浮気相手:千明との話
「スケッチ」は2話目の美術教師矢野の妻:真砂子の離婚後の話。
「虫」は「額縁の犬」の主役千早と知り合いになった男:近藤の話。
「初夏のペリメニ」は、千早の蒸発した婚約者:雄一郎の妻:瑤子の話です。
団地の端っこにある目立たないけど気になる喫茶店「ちさ」を中心に物語りが紡がれているのもなかなか巧みです。
読み終えたら思わず相関図を書きたくなりましたモン。
思ったら実行!ってんで相関図を書いてみました。

 

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相関図を書くとこんな感じかな?
こうして相関図を書いてから小説を書きて行くといいんだろうなーってふっと思いました。
7編どれもそれなりに良かったです。

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