THE BRAVE ONE *ブレイブ・ワン*

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2007年/米・オーストラリア

監督 :ニール・ジョーダン

CAST:
ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード
ナビーン・アンドリュース

<STORY>
ニューヨークでラジオのパーソナリティを務めるエリカ・ベインは、婚約者のデイビッドと公園を散歩中、暴漢に襲われた。病院で意識を取り戻した彼女はデイビッドが死んだことを告げられ、悲しみに打ちひしがれる。自らの心にも傷を負い、満足に外出することもできなくなってしまったエリカ。恐怖の毎日の中でエリカが手にしたのは一挺の拳銃。そしてある日、偶然立ち寄ったコンビニで、銃殺事件に遭遇してしまい強盗に拳銃を発射してしまう・・・。

<感想> 評価 ★4
キャッチコピーは【許せますか、彼女の’選択’】。
こんな軽い言葉で説明して欲しくないと思うほどの社会派作品。
あまり良い評価を聴かない印象もある作品だったが、私は想像していたよりも心に響くものがあり、犯罪・法の裁き・銃社会e.t.cなどについて考えることもできたし、エリカの心情も伝わり感動さえしました。
暴漢に襲われ、婚約者を殺された事で安心して暮らせなくなってしまったエリカは護身用に違法の拳銃を購入してしまうことでその後の運命が大きく変わります。
追いつめられる強い精神力を持っている女性を演じさせるならやはりジョディは天下一品。本作のジョディも彼女だからこそ・・・と思わせる演技力を見せてくれています。
アーサー刑事役のテレンス・ハワード。以前から好きな俳優で、上品な甘い顔立ちが誠実な刑事役に適任。ふたりの役者の品が本作をより高尚なものに仕上げたように思います。

以下、ネタバレあり

エリカが次々に起こす殺人について、一度拳銃のひき金を引き、人を殺めてしまった瞬間から一線を越えてしまい理性も感情も何もかもが自己コントロールできなくなったのだろうと、途中、以前のように仕事を再開し、リスナーの勝手な意見を聞く内に自分のしでかした事の重みに耐えかねて警察署に駆け込むシーンもあることで私はそう理解しました。
また、ラストの展開はあまりにも感情に流された行為で好きな終わり方ではありません。「正義」を言うのなら、エリカもまた法の裁きを受けるべきだったんじゃないかと思います。
けれど、エリカについて批判する気持ちにはなれません。自分が同じ立場なら(子供を殺されたりしたら・・・)復讐心は芽生えるだろうし、拳銃が簡単に手に入るアメリカ社会に住んでいれば、保持する可能性もあるし、持っていれば使うことがあるかも知れないと思うからです。

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