AMORES PERROS *アモーレス・ペロス*

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1999年/メキシコ

監督 :アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ

CAST:
エミリオ・エチェバリア、ガエル・ガルシア・ベルナル、
ゴヤ・トレド、アルバロ・ゲレロ、バネッサ・バウチェ

2000年カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ
東京国際映画祭グランプリ、監督賞

<STORY>
メキシコシティーを舞台に繰り広げられる三部構成のオムニバス群像劇。
第一話「オクタビオとスサナ」強盗で金を作り、破滅的な生活を送る自分の兄の妻を愛してしまった青年オクタビオ。兄との生活の不満を打ち明ける義理の姉に贈り物をして喜ばせようと、愛犬を闘犬に仕立て、金を作る。やがて、オクタビオは彼女との駆け落ちを決意する。
第二話「ダニエルとバレリア」誰もが顔を知る売れっ子モデルの女バレリアは広告デザイナーのダニエルと不倫関係にあった。ダニエルは別居を決意し、バレリアと彼女の愛犬とともに、マンションでの新生活を始めたその日にバレリアが交通事故に巻き込まれる。
第三話「エルチーボとマル」常に数匹の犬と行動し、シティでごみ収集をしている初老の男性、エル・チーボは名うての殺し屋だった。殺人の依頼が舞い込み、そのターゲットの周辺を調査し始めるが、その一方、離れて暮らす娘を見守る父親でもあり、時に彼女の部屋へ侵入する。

<感想> 評価 ★4
冒頭の10分ほどの映像で既に映画の中に一気に引き込まれた。
「カーチェイスを繰り広げながら理解できない事をラテン語で叫ぶガエル。黒いものがクルマに乗っている。黒い犬が血まみれになっているのだ。と思っていたらガエルが叫ぶ!次の瞬間ものすごい音でクルマ同士が衝突する・・・・・」オムニバスの物語はそこから始まる。もうこの時点で私のハートを掴んでいた。
私の感じるメキシコシティは「猥雑、荒々しい、熱い」。アメリカともヨーロッパとも違う、ラテンと言う異文化を感じる。そして、メキシコにはまだ厳しい格差社会が根付いている現実を突きつけられる。
「アモーレス・ペロス」とは日本語に訳すと「犬のような愛」となるらしい。3話とも人を愛し愛し抜いてそれでも報われない、壊れていく愛を表現している。
ホンネで言うと153分、少々長いなとも思ったし、1話目が<動>の話で衝撃だったので2,3話になればなるほど<静>が中心になって高ぶっていた気持ちが落ち着いてしまったところはあるが、ガエルがいい!長編映画デビュー作品がこれらしいが、ガエル演じるオクタビオの優しさ、純真さ、熱さが切なくて、むなしくて溜息が出た。ガエル作品はいくつかみているが、本作品のガエルが1番いいと思うし好きだ。
監督・製作はこれがデビューとなるアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。こんな素晴らしい作品がデビュー作なんてどれほどの才能があるのだろ。彼の作品「21g」と似ており音楽の使い方も似ていた。彼は一貫して「生きることの葛藤や人生の辛さ、命の重さ」を描きたいのだろう。
2007年アカデミー賞でも話題「バベル」はこの監督の作品。これからアレハンドロ、来ます!
また、映画の中にどの話にも犬が出てくるが、オクタビオ=闘犬、バレリア=愛玩犬、エルチーボ=野良犬とそれぞれの主人公の象徴とされているんだと思う。犬好きな私にはしんどいシーンもあったけれど、まだ許容範囲。
この映画については語り出すとどれだけでも語れるが長いレビューは書かないと決めているのでここまで。この作品が好きなで、語りたい人とは個別に語り合いたいぐらいだ。

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