2013年本屋大賞ノミネート小説
<あらすじ>
郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計・・・僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。
<感想>
久しぶりに小説を、しかも一気に読みました。
この小説は映画化されるようです。文庫本の宣伝帯に大々的に告知。そのせいで、主人公のイメージは完全に佐藤健で読んでしまいましたよ~、イメージつけて読みたくなかったんだけどなぁ・・・。
この小説は、一種の”哲学書”ですね。
主人公「僕」が、青天の霹靂ともいうべき突然余命宣告を受けたことで、人の生死、人と物との関係性、人間が人間であることの意義を考え、体験し、死ぬまでにやりたいことではなく、死ぬまでにするべきことを見つけ、なしていく話です。
小説の主人公には名前がないので(記されていない)、読みながら、頭の片隅で(自分だったら・・・)と思いながら読んでしまってました。
「哲学」には答えはないもの。読む人ぞれぞれが感じることもきっと違うんじゃないかと思います。
やや子どもっぽい小説ではあるけれど、だからこそ10代,20代の若い世代に読んでもらいたい。
当然、当たり前のように明日は来て、それがあさっても、1ヶ月後も続いて・・・若い時は命の期限など考えもしません。故に、命を粗末にしてしまいがち。この本との出会いが”何か”を変えてくれたらいいなと思います。
「金曜日」の章を読んでいたら、そらを抱きしめたくなりました。
温かくてふわふわで、私の大好きなの匂いがする そら 。
そんな優しい気持ちになる本です。
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