2006年/仏、ベルギー 監督:エリック・エマニュエル・シュミット CAST: カトリーヌ・フロ、アルベール・デュポンテル ファブリス・ミュルジア、ニナ・ドレック |
<STORY>
10年前に夫を亡くしたオデットは、女手一つで息子と娘を育ててきた。昼間は百貨店勤務、夜は羽飾りの内職で忙しい彼女の唯一の楽しみは大ファンの作家バルタザールの小説を読むこと。ある日、彼女はあこがれのバルタザールのサイン会に出かけるが……。
<感想> 評価 ★3
主人公は40代後半以降の未亡人と言う設定がおもしろい。ベルギーに住み、百貨店の売り子の仕事をしながら内職もしている。愛する夫に先立たれ、女手ひとつで育てた息子は美容師として独立しているものの、ゲイ。娘はガサツでろくでもない男と付き合っていると言うヘヴィな状況なのに、オデットはいつも笑顔で、生き生きと生活をしている。それは自殺を考えたほど苦しかった時をバルタザールの本で勇気や愛をもらって立ち直れたからだと言う。そのオデットを演じたカトリーヌ・フロはおばさんなのに少女のようにピュアで、愛らしい。
この作品は感情の表現として、興味深い描写をしている。たとえば、オデットと憧れのバルタザールとのエピソードの時には浮かれた気持ちの表現として彼女が地上から5センチどころか1メートルほど浮き上がるユーモラスな表現をしたり、映画の中でオデットが「イエス様」と呼ぶキリスト風の男をオデットの感情として対比させている。イエス様風の男が忙しく多くの人の足を洗っているシーンでは彼女が多くの人のお世話を心から笑顔でしているのを表し、イエス様がガラスで切った手から血を流しているシーンでは傷ついた彼女の心を洗わす・・・と言うような表現。私はこの表現方法がこの映画の雰囲気といてよりファンタジーな雰囲気にしていたのだと思った。いろいろ抱える息子と娘とオデットの関係も温かく、ハッピーエンドで終わるいい映画でした。
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