2007年/米 監督 :アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ CAST: ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊池凛子 |
<STORY>
モロッコで羊を放牧して生活している一家。ジャッカルが羊を襲うことに困り、知り合いからライフル銃を譲り受ける。子供達は射撃の腕を競うようにモロッコ砂漠を進む観光バスに向けて発砲。その銃弾は不幸にもモロッコを旅する米国人夫婦の妻を打ち抜いてしまう。
<感想> 評価 ★3.5
思っていたのとは少し違う内容だった。
元々群像劇が好きなので、イニャリトゥ監督の過去作品「アモーレス・ペロス」「21g」も好きだった。本作品も「ライフル銃」と言うパーツで繋がっていく場所・出来事・人々を描く群像劇と言うことで、かなり期待していたのだが、見終わった感想は「消化不良」。
映画自体、2時間半と言う長編作品だと言うのに。 三人目の子供を突然死させてしまった事でバランスを崩してしまったアメリカ人夫婦。その夫婦のハウスキーパーをしているメキシコ人とその甥。聾唖(ろうあ)であることと、母親が亡くなったことで心のバランスを崩している日本の父と娘。そして、モロッコで羊の放牧をして暮らす親子の歪んだ生活、以上4組の人間関係がライフル銃で繋がっていく筋立て。 長い映画だが、冒頭に撒かれた謎のパーツがStoryが進む中でわかっていくので飽きることなく観ることはできた。それだけに繋がった先が「繋がっただけ」と言う放置状態に思え、それが消化不良の原因ではないかと思う。 ただの偶然の発砲が、テロ事件へと変貌し、国家を巻き込んで行く様。メキシコからアメリカに入国するむずかしさなどは世界はひとつではないと言う複雑さを感じることは出来るけれど、じゃあどうして聾唖(ろうあ)の娘と父親との関係を見せる場所が日本の東京でなければならなかったのだろうかと疑問に思う。「日本の父娘関係」だけがこの映画の中で浮いているように感じてならない。ナゼに「日本」?それが1番腑に落ちない。
日本では菊池凛子さんがアカデミーの助演女優賞を獲得するか!?と話題になった。確かに、「バベル」での菊池さんは体当たりで演技をしていたと思う。しかし、賞獲りレースで負けた相手「ドリームガールズ」のジェニファー・ハドソンには叶わなかったよなとも思った。
ん~なんだか消化不良な作品だった。
大好きなガエル・ガルシア・ベルナルもいい役なのに、中途半端な気がした。アメリカの南部「サンディエゴ」メキシコ、コロンビア。あまり知識のない土地と風土に触れられたところが1番心に残った。
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