2006年/仏 オムニバス映画 CAST: (一部)スティーヴ・ブシェミ、ジュリエット・ビノシュ、 ウィレム・デフォー、マギー・ギレンホール ボブ・ホプキンス、ファニー・アルダン ジーナ・ローランズ、ベン・ギャザラ、 マーゴ・マーティンデイル |
<STORY>
パリの街そのものをテーマにパリの様々な場所で撮り上げられた1編およそ5分、全18編からなるオムニバス・ムービー。この企画に世界中の名だたる映画監督たちが集結、それぞれの視点から花の都パリの新たな一面を切り取る。日本からも「M/OTHER」の諏訪敦彦監督が参加。2006年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング上映作品。
<感想> 評価 ★3
最近、短編映画が流行っているが企画として面白いし興味を惹かれる。
この作品も名だたる監督が約5分でパリを舞台に1編の物語を紡いだ全18作品のオムニバス映画である。
18作品の中には瞬間でパリにいるような気持ちにさせてくれる作品や、たった5分の中に深い物語がある作品、ファニーな作品などがあり面白かった。もちろん中には何が言いたいのかワケわからないものもあるけれど。
一話目の「モンマルトル」を観たときは、 (うわちゃ~めっちゃフランス映画の香りだ・・・)と観るのがツラクなりかけたが監督がどんどん替わるので雰囲気が変わり杞憂で終わった。
18作の中で印象に残ったのは2話目「セーヌ河岸」。他民族国家フランスの中の淡い恋愛が可愛かった。
4話目の「チュイルリー」はジョエル&イーサン・コーエン監督の作品。「ファーゴ」にも出演していたスティーヴ・ブシェミがパリの観光者を演じている。チュイルリー駅は私もパリを訪れた時に利用した地下鉄の駅。それがうれしかった。6話目「16区から遠く離れて」は「モーターサイクル・ダイアリーズ」のウォルター・サレス監督作品。7話目「バスティーユ」はイザベル・コイシェ監督作品。
8話目の「ヴィクトワール広場」は日本からの諏訪敦彦監督作品。ジュリエット・ビノシュとウィレム・デフォー出演で母親の子供への深い愛情を描いた作品でパリを舞台にしていながらとても日本的な感じがした。
10話目「モンソー公園」は「トゥモロー・ワールド」のアルフォンソ・キュアロン監督作品。
中でも1番ストレートに伝わった作品は12話目の「お祭り広場」。ショートストーリーで十分伝わった。
14話目「マドレーヌ界隈」だけ他の作品と少し色合いが違ったので印象に残っている。監督は「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリ。ドラキュラの愛って展開が可笑しくて良かった。
16話目「フォーブル・サン・ドニ」はトム・ディグア監督作品。「ヘヴン」「パフューム」の監督だけに大注目!ナタリー・ポートマンと盲目の青年との恋話が良かった。17話目「カルチェラタン」は俳優のジェラール・ドパルデューが監督。
映画にも出演しているが存在感はさすが。主演のジーナ・ローランズも貫禄の演技。そしてラストを飾るのは18話目の「14区」マーゴ・マーティンデイルが演じる女性が歩くパリはエンディングに相応しい一作だった。
東京の山手線の内側ぐらいの広さの街ひとつでこれだけの話を紡ぐことの出来るパリはつくづくステキな街なんだと改めて思う。
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