<あらすじ>
犯罪を超えたその先に、本当の闇がある。二日間の悪夢と、孤独な愛情の物語。
「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身によって明かされなければならない」。
「早く帰ってきてほしいんだけど」。
前原昭夫が、妻から切羽つまった様子の電話を受けたのは、金曜の夕方だった。重い気持ちで家に帰ると、庭に幼い少女の遺体が。部屋に閉じこもる息子のやったことなのか。
事件と向き合うことで昭夫は、家族と向き合うことになるが──。
<感想>
発売当初、買う気はなかったが本屋で何気に3ページほど読んで無性に読みたくなり即買い。
久々すっーっと入り込んでスラスラ読み終えてしまった。
本作品は推理小説でなく、社会派の重いテーマを扱いつつ、読みやすいエンターテイメント性を加味した作品だと思う。「期待はずれ」と言う感想も聞くが、私は心に響くものがあった。確かに後半のどんでん返しも意表をつくものではなかったが、子供を育てると言う事・子供との関係・老いた両親との問題など、30代以上の世代には考えさせられるテーマである。
とにかく、前原直巳と言う中3の息子の行動のひとつひとつがムカツク。しかし、こんな少年は世の中にいっぱいいるのだろう。また、この息子をここまでにしてしまったバカこの上ない母親も。何もかもから逃げ通して今日まで来た父親もあまりの愚かさにやるせなさが溜まる。
この小説には加賀恭一郎が登場。残念ながら、私は過去の加賀恭一郎登場作品を1冊も読んでいないので、加賀恭一郎作品として楽しむことが出来ず残念だったが、加賀恭一郎の刑事としての洞察力の凄さは迫力がある。
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