2008年 英/米 監督:ダニー・ボイル CAST: デブ・パテル、マドゥル・ミッタル、フリーダ・ピント アニル・カプール、イルファン・カーン |
<STORY>
インド、ムンバイ。スラム街で育ち、学校へ行ったことのないジャマールはテレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演。正解を重ね、1000万ドルを獲得。翌日の2000万ドル挑戦権を手にした。しかし、番組終了後、不正を疑われて逮捕される。逮捕の理由はスラム街で育った少年が正解するはずがないと言うもの。ジャマールはナゼこの番組に出演するに至ったのか?そしてナゼ連続正解できたのか?警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。
<感想> 評価 ★4.5
2009年にアカデミー作品賞、ゴールデン・グローブ作品賞を受賞した話題の映画。
なるほど。アカデミー賞で話題をさらっただけの価値のある見応えのある良作でした。
私は<あらすじ>程度の知識で鑑賞しましたが、それが絶対良かったです。
この作品の魅力は、ジャマールを尋問する刑事と同じ目線で、カレの生い立ちを順々に知り、感じていくことにこそ意味があるからです。
映画が始まってすぐ、ムンバイの狭い路地をスラム街の子供達が駆け抜けるシーンがあります。スラム街は不衛生で猥雑。けれどその暮らしを包むのはエネルギッシュ以外の何ものでもない力です。裕福でなく、学校さえ行かせてもらえない最悪の生活環境の中にいても、笑顔弾ける子供たち。逞しくて輝かしい。この感じにたまらなく惹かれます。
たまたま前日に見た邦画の「ALWAYS三丁目の夕日」。30年代の日本にあったような貧しくてもこれから向上していくのだと言う期待感や疾走感が溢れていましたが、「スラムドック$ミリオネア」にも同じような空気が溢れています。
ベースのクイズ番組は、日本でも”みのもんた”司会で有名な「クイズ・ミリオネア」。
本作はこの「クイズ・ミリオネア」と同じ設定です。映画の中でクイズ番組についてはほとんど説明されていませんが同じと思ってOK。
しかし、子供の頃の回想シーンに出てくるインドは、想像を絶する劣悪な環境。思わず、放っておいていいの?と思わずにはいられないほど。リアルなインドを表現することで社会派作品の一面を見せつつも、スラム育ちの青年が、億万長者をまさに今、手にしようとするファンタジー性を加えることでエンタテーメント作品に仕上げています。そしてそこにラティカへの一途な純愛も入れ込む・・・。全部がキレイにバランス良くまとまっていて巧いなぁと唸ってしまいました。
そんなこんなでウワサに違わぬ素晴らしい作品でした。
そしてラストはインド映画を感じさせてくれるダンス付き!
「そうそう!インド映画にはコレだよね!」。
このあたり、インドへのオマージュってとこなんでしょうか?ハリウッド映画に馴れてる人は完全に引いてしまうであろうあのラストにこそインドを感じた私です。
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