2008年 / 韓国 監督:ヤン・イクチュン CAST: ヤン・イクチュン、キム・コッピ |
<STORY>
情け容赦ない暴力で周囲を震え上がらせる借金の取り立て屋、サンフン。ある日、道端で唾を吐き、偶然通りかかった女子高生ヨニのネクタイを汚してしまう。見るからに強面のサンフンに対しても怯むことなく突っかかっていくヨニ。最悪な出会いを果たした2人だったが、不思議とウマが合い、奇妙な交流が始まる。
<感想> 評価 ★4
韓国映画独特の描き方、空気感の漂う作品でした。
この作品、非常に評価が高かったんです。監督のヤン・イクチュンは、初監督&主演をしています。このようなバイオレンス作品はありがちですが、この作品の韓国は、ニュースで見聞きする韓流スターやK-popの華やかさ。高学歴社会。日本企業を越えようとする経済発展をする韓国とは相反する一面です。
家庭内暴力、失業、貧困、犯罪者を抱える家族・・・韓国の「闇」の一面です。
作品に終始流れる閉塞感。生きることがどんなに苦しいことなのか、そこから抜け出せる術はあるのか。迷い、あがきながら生きるサンフンとヨニ。このふたりが互いを罵倒しながらもふたりで過ごす穏やかな時間。漢江のほとりでふたりが寄り添い泣くシーンはせつないです。
この作品がこれだけの罵倒する隠語と、暴力(女、子どもにも暴力をふるうシーンも多く出てくる)を前面に押しながらも品格を感じるのはsexシーンがないからでしょう。
高校生のヨニとサンフンとがsexで慰め合うシーンがあったら、ただのヤクザ映画でしかありません。それがないことこそがこの作品の最大の魅力です。
そして二人が自分のことよりも家族、姉や甥。父や兄を大切にするところが儒教を感じさせます。
Story展開は読めてしまうし、ラストも想像どおりですが、最後まで見せる力を感じる作品でした。
韓国は韓流作品だけじゃないよっと言う一作です。
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