ビタミンF  重松清 著

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第124回 直木賞受賞作

 <あらすじ>
38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学1年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた・・・。一時の輝きを失い、人生の”中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか―」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編7編。

<感想>
重松清は上手い。読ませるし納得させる。むずかしい比喩や表現を使わず、日常の言葉を使って紡がれる言葉たち。それが根底に流れる優しさを醸し出してるようにも思う。
本書は、けしてきれい事ではない現実。「いじめ」であったり「年齢」であったり「性格」であったり「戻ることのできない過去と現在」だったりを題材にし、あがきようのないそれらをしっかり見せつつ背負いつつ、でもなんとかやっていこうとする人たちを描いている。それはとても辛いのだけれど温かい。 これが現実、でも前に進むしかないんだなと感じさせる7編だった。
重松清漬け、当分続きそう。  

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