私という運命について  白石一文 著

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<あらすじ>
人は、ほんとうにみずからの意志で自分の人生を選び取ることができるのだろうか―。
恋愛、仕事、結婚、出産、家族、死・・・・。
大手企業に勤務するキャリア女性の29歳から40歳までの”揺れる10年”を描き、「運命」の不可思議とその根源的意味を鮮やかに描いた書き下ろし900枚、待望の刊行。

<感想>
この小説、やたらにあちこちの書評で紹介されていたので即購入してしまった。
内容は簡単に言うと亜紀と言う女性の29歳から40歳までを描いた小説。
女性の文体だが違和感はない。
確かに、自分で選び取っている人生のつもりでもそれは見えない何かのチカラで指針を動かされているのが運命と言うものかも知れない。亜紀は一流企業に働くキャリアウーマンで容姿端麗。恵まれている彼女に時に襲いかかる出来事を受け入れつつ成長していく姿が描かれている。亜紀に共感できなかったので入り込む事はないかったけれど。何もかもを「運命」と言ってしまう事を私は好きではない。けれど、小説の中に出てくる康(やすし)と言う男性の運命については(確かにこう言うことがあるんだよな)と思ってしまい運命とは残酷だと思った。ひとりの女性の半生を描き、運命をも受け入れると言う手法で書いた以上
仕方ないのだろうがやたら達観しているように思えてしまったのは残念。
私は「僕のなかの壊れていない部分」みたいな現在(いま)を受け入れられずもがいてる白石小説の方が好きだ。

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