ぼくは勉強ができない 山田詠美 著

未分類
未分類

<あらすじ>
ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだー。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美は活躍する元気溌剌な高校生小説。

<感想>
この小説は、高校生の長男の読書感想文の課題。部屋に置きっぱなしになっていたから拝借して読んだワケだが・・・(今どきこんなぶっ飛んだ本が課題図書なの?)思ってしまった。だって主人公の時田秀美くんはショット・バーで働く年上の女性:桃子さんと付き合っていてセックスを楽しむ関係。秀美くんのお母さんは高校生の息子に恋愛相談はするほどぶっ飛んでるし、分かり合える教師の桜井先生とは「セックスが強い、弱い」なんて話を日常でしている。高校生の息子を持つ母親として、今の高校生の世界ってこんなんかよ?と。
国語担当の教師は生徒のどんな感想を求めて課題図書にしたんだろうか?生徒の感想よりも私はむしろそっちの方に興味がある。
とは言え、あとがきに山田詠美さんが書いているように、リアルタイムの高校生よりもむしろオトナが読むべき小説であるように思った。
小説の中に、秀美くんが不運にも財布に持っていたコンドームを学校で落としてしまうくだりがある。それを見つけた教師は秀美くんを怒鳴りつけ、放課後に職員室に来るように言う。佐藤と言うその教師は「コンドームを持ってきていいと思っているのか?」「持っていると言うことは使っていると言うことか?」と聴かれる。秀美くんはあっさり言う。「そうです。彼女と使っています。」と。その返事に怒りを爆発させる佐藤先生。でも秀美くんは言う。「彼女が大切だから使っているのです。まだ子供はいらないし、お互いのために」と。怒ってる佐藤先生の方が滑稽だ。言い返せなくなった佐藤先生は「こんなものを持っているから勉強ができないのだ」と秀美くんを叱る。秀美くんはナゼ佐藤先生に謝る必要はあるのだろうか?と思う。私もお門違いだと思う。
高校生の頃、こう言う理不尽な教師と出会ってきた。高校生の頃はその教師に言い返せるだけの”なにか”を私は思っていなくて、悔しいと思いながらも先生の意見をわかったフリしてその場を逃れていたように思う。
政治家を目指すと言い出す友達、美少女に憧れる級友。「死」を選んでしまった友達・・。
高校生の時に出会ういろんな出来事を秀美くんの目で追体験した気がした。

コメント待ってます♪