「世界の終わり、あるいは始まり」 歌野晶午 著

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20090506_689733あらすじ>
東京近郊で連続する誘拐殺人事件。誘拐された子供はみな、身代金の受け渡し前に
銃で殺害されており、その残虐な手口で世間を騒がせていた。
そんな中、富樫修は小学六年生の息子・雄介の部屋から被害者の父親の名刺を発見してしまう。
息子が誘拐事件に関わりを持っているののではないか?
恐るべき疑惑はやがて確信へと変わり・・・。
既存のミステリの枠を超越した、崩壊と再生を描く衝撃の問題作。

<感想>
歌野氏の作品は2作目ですが、「葉桜の季節・・・」と雰囲気が違い、同じ作者とは思えないほど。
この小説はミステリーです。二転三転どころか、いくつものパターンの展開で埋め尽くされた小説です。
そして、予備知識なしで読む方がよりこの小説を味わえると思います。
なので、これ以降はネタバレとなりますのでこれからお読みになる方はご注意ください。
また、この小説の感想は読み手の年齢・状況・性別にもかなり左右されるような気がします。
この小説を味わうためには、受け身で読まず、読みながら小説の中に自分の感情も投影していくこと。
そうすれば歌野晶午氏の手中にハマれてこの小説を味わえるように思います。
ネタバレ
読み終わって最初の感想は「頭が疲れた」。
ここまでいろんなパターンの悲劇的な想像を展開され、四面楚歌の状況に追い込まれると
小説の世界であっても息苦しさを覚えてしまいました。
しかし、この小説を読んで全くノンフィクションに思えないのが最近の日本。
全くあり得ない話でないし、いつ自分が加害者に、被害者になるとも限らないと本当に思えてしまいます。
富樫修氏と同じ年代で、富樫雄介くんと同年代の子供を持つ親として、子供の持つ恐ろしささえも感じた1冊になりました。

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