井上荒野 書籍評

もう二度と食べたくないあまいもの 井上荒野 著

投稿日:2011-08-02 更新日:

20110810_2312896<あらすじ>
気がつかないふりをしていた。もう愛していないこと。もう愛されていないこと。
直木賞作家が美しくも儚い恋の終わりを描いた傑作。

<感想>
井上荒野さん、好き。本書は恋の終わりを書いた短編集です。
「幽霊」「手紙」「奥さん」「自伝」「犬」「金」「朗読会」「オークション」「裸婦」「古本」の10編。
今回は特別好きな短編はなかったのだけど、あえて選ぶなら「手紙」です。ごくフツウの女子大生:千穂。彼氏はジャズ研で知り合い付き合うことになった1歳上の拓朗。上手くいってるはずだったふたりの関係が最近ぎくしゃくしているような気がしていた千穂だが、気づかないようにしていた。でもそのカンは的中する。恋の終わりの予感から終わるまでをピュアに描いた作品でした。甘酸っぱい感情を味わいました。
他に「自伝」も良かったです。何も始まっていないけれど終わってしまった恋心を上手く表現されていると思いました。
「犬」もなかなか良かったかな。
全部が恋の終わりを描いています。柔らかく、ふわっとした、それでいて痛くて切ないこの感じは井上荒野さんの世界観だと思いました。
 

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