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朽ちていった命 ー被爆治療83日間の記録ー

投稿日:2012-03-15 更新日:

NHK「東海村臨界事故」取材班

20120318_2584003<あらすじ>
1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者を救うべく、83日間にわたる壮絶な闘いがはじまった-。「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生をやめ次第に朽ちていく体。前例なき治療を続ける医療スタッフの苦悩。人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問う渾身のドキュメント。

<感想>
昨年(2011年3月)に東北大震災が起こり、福島原発を地震と津波が襲う未曾有の天災が起きた。あの日、阪神大震災を経験している私は地震への恐怖が甦ったが、それにも増して津波の映像を見たとき、言葉を失った。
福島原発は、あの津波にのみ込まれたのだ。水素爆発、メルトダウン・・・種々の非常事態を起こし、地震発生1年後の現在でも半径20キロ以内は立ち入り禁止区域のままだ。それはつまり、放射線被曝の危険が続いていると言うこと。
どれだけの人が、原発事故、核燃料について正しい知識を持っているのだろう?このことに少しでも正面から考えてみようとするのなら、本書は意味がある1冊だと思う。
医療関係者である私は、現在の仕事内容が放射線に関わる仕事である。けれど、放射線に関する知識はほとんどない。私のような薄い知識で原発に関わっている作業員は多いはず。本当に怖いことだと本書を読むとわかる。

生きている身体は再生能力を持っているが、大量の中性子線被爆により、DNAがズタズタに破壊されてしまった身体は再生能力を失い、まさに朽ち始める。本書の中に被爆直後の腕と、しばらく経ってからの腕の写真が掲載されているが、その腕のあまりの変化に身震いが起こりそうだった。
中性子線被爆の怖さ。ストロンチウム、セシウムで被爆することの恐ろしさが少しではあるが理解できるようになる。
人間が完全にコントロールしきれないもの。それが「核燃料」なのだと改めて思った。
これはNHKが取材したもののまとめらしい。もっと多くのメディアが過去の原発事故や、放射能被爆について語るべきだと思う。
1999年にこれだけの事故が起きていたのに、ナゼ私の記憶には(そんな事故あったな)ぐらいしかないのだろう。そのことが問題でもあると思った。

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