Venuto al mondo / TWICE BORN *ある愛へと続く旅*

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2013年 / イタリア、スペイン

監督:セルジオ・カステリット

CAST:
ペネロペ・クルス、アドナン・ハスコヴィッチ
ピエトロ・カステリット、エミール・ハーシュ
サーデット・アクソイ

<STORY>
ローマで、夫と16歳になる息子ピエトロと暮らすジェンマのもとに、サラエボに住む旧友ゴイコから電話がかかる。ゴイコに誘われジェンマはピエトロを連れて青春時代を過ごしたサラエボへ。それは自分の過去を訪ねる旅でもあった。20年以上前、女子大生だったジェンマはサラエボに留学。ガイドを頼んだゴイコから、アメリカ人カメラマンのディエゴを紹介され、ふたりは一瞬で恋に落ちる。しかし、ジェンマに婚約者がいたため、ふたりはそのまま別れる。その後、離婚したジェンマの元に再びディエゴが現れ、ふたりは結婚することに。ローマで新婚生活をはじめ、子どもを望むが、その夢は無残にも打ち砕かれてしまう。
一方、サラエボでは民族紛争が勃発。ディエゴは戦場の現実を記録するために、再びサラエボへ。彼の後を追ったジェンマも、ゴイコをはじめとするかつての友人たちと再会し、人道支援活動に参加する。そんな過酷な状況の中でも、ジェンマとディエゴは子どもが欲しいという夢を捨て切れず、代理母を探し、ゴイコから、ミュージシャンを目指すアスカを紹介される。アスカは自分の夢のためにお金が必要で、ジェンマの子どもを望む気持ちも理解し、代理母を承諾するが・・。

<感想> 評価 ★ 4
2時間余りの映画でしたが、半分を過ぎたあたりから、いろんな思いが心を支配しはじめ、心をギュッとつかまれたように胸が苦しくなり、それは最後まで続いた・・・そんな作品です。
ディエゴとジェンマは、ほんとうに深く愛し合っています。ゆえに、いろんな試練をふたりで越えていこうとしている時に、民族紛争が起こります。紛争により、ふたりはより複雑で困難な、そして逃れられない運命の波に流されていくしかなくなっていきます。「戦争」が、ふたりの関係さえも変えてしまうのです。
戦争は、いったい何をもたらすものなのでしょう?
奇しくも、この映画を観た2015年11月。フランス:パリでISの犯行と推測される一般市民を巻き込んだ同時多発テロが起こりました。事態はどんどん深刻化し、世界大戦の空気さえ感じます。
もうディエゴとジェンマのようなふたりを作ってはいけないと心から思います。
誰ひとり、悪いものなどいないのに、ディエゴは愛する妻ジェンマを傷つけ、ジェンマもまたディエゴを傷つけ、このふたりの幸せを願ったゴイコも、ふたりのために自分の身を差し出す決意をしたアスカも、ふたりを傷つけ、自分も傷ついていく。
戦争が大きく歯車を狂わせる様を見せつけられ、苦しく、哀しくなる。
ラストで、ほんとうの真実がわかります。
知るのは当然つらいことだったけど、ジェンマは知って良かったのだと思います。
この作品は、「赤いアモーレ」のセルジオ・カステリットが監督しました。
そして、彼の妻であるマルガレート・マッツアンティーニの小説の映画化だそうです。
戦争、紛争、いつまでも同じことの続くこの世界を、止める術を教えて欲しい
 

 

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