ドラマ(シリアス、ハートフル) 映画評

Gran Torino *グラン・トリノ*

投稿日:2010-05-19 更新日:

20100519_16001122008年/米

監督:クリント・イーストウッド

CAST:
クリント・イーストウッド、ビー・ヴァン、
アーニー・ハー、クリストファー・カーリー

<STORY>
長年勤め上げたフォードの工場を引退し、妻にも先立たれた孤独な老人ウォルト・コワルスキー。自宅を手入れしながら、M-1ライフルと72年製フォード車グラン・トリノを磨き上げる毎日。彼の暮らす住宅街には今や昔馴染みは一人もおらず、ウォルトが毛嫌いするアジア系移民をはじめ外国人ばかりが居住し、ウォルトは不満だらけ。ふたりの息子とは疎遠で孤独で張りのない余生を過ごしている。そんなある日、自宅前で不良たちに絡まれてもめているタオと家族を見たウォルトは、本意ではないながらも助けることに。そのことに感謝したタオの母親と姉がそれ以後何かとお節介を焼き始める。最初は迷惑がるものの、次第に父親のいないタオのことを気に掛けるようになるウォルトだったが・・。

<感想> 評価 ★4
クリント・イーストウッドは本当にすごい。「ミリオンダラー・ベイビー」の時も感じたけれどカレの作品は静かに、じわ~と心に響くものを確実に残してくれます。
本作も私の想像を越えて正直に良かったです。秀作。
シンプルなストーリーなのであらすじを知っておく必要はありません。むしろ知らないで観ることをお薦めします。
偏屈オヤジに、移民問題、人種差別、現代社会を描いており重めの題材ですが、説教臭くなく、笑える場面もあり、1時間57分と言う長さを感じさせません。
映画で描かれる社会はアメリカだけの事じゃなく、まさしく今の日本のそのままでしょう。老年期の方への尊敬も礼節もない若者、公式の場(葬儀など)でのマナーもなっていないし、未来を見て生きていこうとする少年に対して非行の道へ無理やり引きずり込もうとする不良グループたち・・・私が納得できないことのオンパレード。ウォルトはそれらに露骨にイヤな顔をし悪態をつきます。白人がほとんど住まなくなった住宅地で星条旗を掲げ、古いフォード製の愛車「グラン・トリノ」を磨き上げながらビールを飲む。言葉ではないシンプルな映像で愛国心の強い、偏屈じぃさんを表現しています。
しかし、ウォルトは偏屈だけれど人としてきちんと生きているのです。そのウォルトの生き様に心動かされ、毛嫌いしていた隣人モン族の娘:スーと少年:タオとの交流は風が吹き抜けるような気がしました。
ラストは直前までハードな方を想像していましたが、いざその場面となった時に逆の道を選んだのだと気づかされ・・・また生き様が私の心を動かしました。
「生と死」と言う題材は、「ミリオンダラー・ベイビー」でも違う形で描かれていましたが、クリント・イーストウッドの肝としてのテーマなのでしょう。
私もウォルトのように意味のある生き方をしたいと思うのです。
最後に一言!
映画が終わったあと、ジェイミー・カラムが歌う「グラン・トリノ」と言う音楽をバックにしてエンドロールが流れ出します。エンドロールなのにココがたまらなくいいんです。
逸品です。
コレを観ずしてDVDを切らないで下さい。

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