シネマ歌舞伎 10月 「野田版 鼠小僧」

歌舞伎
歌舞伎観劇記
作・演出:野田秀樹
CAST:中村勘三郎、坂東三津五郎、中村扇雀、坂東弥十郞、中村橋之助、
中村福助、板東吉弥、中村獅童、板東新悟、中村七之助、中村勘太郎(現 勘九郎)
片岡孝太郎
※ 2003年8月 歌舞伎座にて上演
 
20131106_551316<STORY>
正月、江戸の町では鼠小僧の芝居が大人気。見物客の中で、棺桶屋の三太(さんた)がずる賢く金稼ぎに励んでいます。金にしか興味のない三太は、実の兄が死んでも棺桶屋の出番と喜ぶ始末。その上、遺産があると聞いて大はしゃぎ。ところが遺産は善人と評判の與吉(よきち)が相続することに。他人には渡すものかと一計を案じた三太は、兄の死体の替わりに棺桶の中へ忍び込みますが・・・江戸町奉行から幽霊まで、個性溢れる登場人物達を、豪華な顔触れが賑やかに楽しく演じます。
 
 

<感想>
2003年に歌舞伎座で大ヒットした舞台の映画化です。「研辰の討たれ」に続いて演出は野田秀樹。
勘三郎さんがお亡くなりになって1年ですね・・・。
興味もなく、縁遠いと思っていた歌舞伎に触れ始めたのは今年の5月。それから”シネマ歌舞伎”を知り、勘三郎さんの作品を見れば見るほどに、亡くなる前に歌舞伎を好きになり、勘三郎さんの舞台をこの目で見たかったと思うばかり。
本作品も「研辰の討たれ」と同様、勘三郎さんがしゃべりまくり、跳ねまわり、走り廻る・・・エネルギッシュにカレが舞台を魅了し、ひっぱっていました。カレなしではこの演出による「鼠小僧」はあり得ないでしょう。
初見の橋之助さん、上手いですねぇ~。カレの演じるいい人の興吉と、本性が現れた時の興吉の演じ分けも良かったです。福助さんは普段、お笑い系の演技はしないらしいけど、面白かったなあ~。女形役の福助さんをまた見たいと思わせる魅力がありました。七之助さん、「牡丹燈籠」の女形は可憐で美しいです。カレは線が細いからいいですね!本作では、えび反りになるなど弾けた尻軽町娘を好演。母親役の扇雀さんのやり手ババアな感じも面白かったです。
野田版では、ラスト20分、ホロッとさせる演出。雪が降る中、屋根に登って小判を降らす様子は、勘三郎演じる三太=サンタとかけているそう。なるほど~・・・。
今更だけど、もっともっと勘三郎作品を観たいと思わせる魅力があります。
重ね重ねカレが他界されたことを惜しみつつ、勘三郎さんが歌舞伎の楽しさ、すばらしさ、未来性を皆に知らしめたいと言う気持ちは、後生にも必ず通じるよっと伝えたい。一周忌によせて

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