歌舞伎NEXT 阿弖流為

歌舞伎観劇記

作  :中島かずき
演出 :いのうえひでのり
CAST :市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助、片岡亀蔵、
    板東新悟、大谷廣太郎、市村萬次郞、板東彌十郎 他

<Story>

朝廷に抗い続ける蝦夷(えみし)の長、阿弖流為(アテルイ)は悪か、それとも民を護る正義か-。古き時代、日の国。大和朝廷は帝による国家統一のため帝人軍を北の地に送り、朝廷に服従しない蝦夷の民に戦いを仕掛けていた。その頃、都では蝦夷の”立烏帽子(たてえぼし)党”と名乗る盗賊一味が、大和の人々を襲う事件が多発。ある日、本物の”立烏帽子(中村七之助)が、自分たちの名を名乗る偽物を暴くため、踊り女に変装し、偽物を捕らえようとしていた現場に、都の若き役人、坂上田村麻呂(中村勘九郎)が駆けつける。まさに田村麻呂が悪党を捕らえようとしたその時、”北の狼”と名乗る男(市川染五郎)も現れ、結局3人で偽立烏帽子党を捕らえることに。この事件をきっかけに北の狼と田村麻呂は、互いに相手に一目置くようになる。そして、そこで北の狼と立烏帽子は、ふたりとも蝦夷の民であり、恋仲であったことがわかる。実は立烏帽子が白い獣に襲われた時、彼女を助けるために、北の狼は白い獣を退治したのだが、それは蝦夷が信じる荒覇吐(あらはばき)神の化身であったため、神の怒りを買い、故郷を追放された男女だったのだ。ふたりは、帝人軍と戦うために蝦夷の里へ戻る決意をするのだがー・・・・

<感想> 評価 ★4

あぁ~コレは舞台を観たかった!大阪にも昨年秋に公演していたらしいが、全く知らなかった。
舞台を見なかったことを本当に後悔したほど、歌舞伎NEXT「阿弖流為」は素晴らしかった!
そもそも2002年、市川染五郎さんと劇団☆新感線がコラボし、初オリジナル作として上演された「アテルイ」を、2016年に歌舞伎化し上演した作品の映画化です。作・演出共に劇団☆新感線の方が担当。
歌舞伎の華やかな部分、にらみや、歌舞伎独特のキメポーズが良いタイミングで入ります。あぁ~歌舞伎を観てる!って感じ。
だけど、古典ものと違って、とにかくテンポが早い。
殺陣のシーンはさすがの鮮やかさ。見惚れてしまいました。
まさに、劇団☆新感線と歌舞伎が素晴らしく融合した作品でした。
染五郎さん、まだシネマ歌舞伎でしか観たことないけれど、若手のホープですね。
歌舞伎メイクの染五郎さんは、色気があります。
私が今、1番贔屓にしている勘九郎さんは、竹を割ったようなまっすぐな田村麻呂が適役でした。
とにかく映画だけれど、舞台の世界に引きこまれまくりました。
そしてますます歌舞伎が好きになり・・・
勘三郎さんや、坂東三津五郎さんを亡くしたりで、とても残念に思っていたけれど、若手の歌舞伎役者がコレだけの素晴らしい舞台を作り上げていることを本当にうれしく思いました。
古典歌舞伎もずっと後生に残して欲しいけれど、NEXT歌舞伎もドンドン上演して欲しいなと思います。
この作品、まだ、上映中です。ぜひ観て欲しいです

 

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