<あらすじ>
間違ってもいいから、この恋を選ぶ。そう思ったこと、ありませんか?「東京湾景」の著者が送る、最新長編ラブストーリー。
「間違えたくないって、どういうこと?」
「だから、自分が間違ってるんじゃないかって思う方向に、絶対進めないんです。間違ってもいい、それでも誰かの胸に飛び込むってことが、私にはできなかったんです」
そこまで聞いて、私は、「ああ」と肯いた。この目の前に座っている女の子は、今回、その殻を破ったのだ。(本文より)
<感想>
吉田修一氏の小説そのもの。雰囲気で読み進めて行くと最後にグッとくるようなシーンやセリフや状況が待っている。私はその感覚が好きなのだろう。だから彼の作品を読んでしまう。
この小説も終わりまでただ淡々と主人公:本田小百合の毎日を読まされる。特に衝撃的な出来事も起こらない。ただ、本田小百合の現在(いま)と感情を感じながら読む。女って残酷な部分持ち合わせてるんだよなとか、もっとハッキリすりゃいいのにとか思いながら。そしてラストでこの小説の意味を知る。そんな小説。
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