演出:野田秀樹
脚本:平田兼三郎、野田秀樹
CAST:中村勘三郎、中村福助、中村橋之助、市川染五郎、中村獅童、
中村勘太郎、中村七之助、坂東三津五郎 他
<あらすじ>
赤穂浪士討ち入りのニュースは、江戸から離れた近江の国・粟津藩にも伝えられ、剣術の道場はその話題で持ちきり。しかし一人だけ、赤穂浪士を馬鹿にする人物がいた。それは、もと町人、研ぎ屋あがりの守山辰次。あだ討ちなんて馬鹿馬鹿しい、武士といえども潔い死を望まない武士もいるはずだ、と言い出す辰次を、家老の平井市郎右衛門がしかりつけた。すると、現実的で抜け目ない辰次はすぐに態度を変え、剣術に優れた市郎右衛門に剣術を学びたいとお追従を言う始末。主君の奥方、萩の江の前で、市郎右衛門に散々に打ち据えられて、辰次は仕返しに一計を案じるが……。
<感想> 評価 ★4
歌舞伎狂言を、野田秀樹が新しい視点から描き、「野田版歌舞伎」という新境地を切り開くきっかけとなった記念すべき第1作。05年5月歌舞伎座において、十八代目中村勘三郎襲名披露狂言として再演。
「歌舞伎役者が演じればそれは歌舞伎です」こう言ったのは、八代目幸四郎さんだそうです。
今日見た作品は、まさしくソレ!勘三郎さんが演じるから歌舞伎なのです!
毎回、シネマ歌舞伎で勘三郎さんを観るたびに、カレがこの世を去られる前に歌舞伎を見たかった!と心から思います。ほんとうに素晴らしい役者さん。
人を惹き付ける魅力が溢れてる。
お調子者で、テキトー男を演じても、それが愛らしい。「武士と言えども潔い死を望まない武士もいるはず!」と皆が出せない本音を口にする勘三郎演じる研辰は、異色の存在の役でさえ魅力的にしてしまう。
脇を固める剣術の達人:市郎右衛門は坂東三津五郎さん。素晴らしい喜劇役者さんです。カレが演じると自然と笑える。スキップするおじいさんには爆笑でした。体調が思わしくなく、降板・入院のニュースがありましたが、どうぞ歌舞伎の舞台に戻って来て!と願うばかり。
若手の市川染五郎さん、中村勘太郎改め、勘九郎さん。剣さばきも見事だったし、若々しい立ち居振る舞い。これからの歌舞伎を背負っていく彼らを応援したいと思いました。がんばってるんだよね、若手の方々も。
そう思うと・・・ねぇね?海老蔵くん、だいじょうぶ?カレが1番心配かも(笑)
親の敵討ちをせよ!と迫られるシーンで命乞いをする研辰。
「死にたくない、生きたい、生きたい・・」そう言いながら剣を研ぐシーンでは、志半ばでこの世を去った勘三郎さんと重なって、涙が思わず・・・・
1時間50分。命を削るような全身全霊をかけた舞台を見れて幸せな時間でした。
勘三郎さんに、会いたいな・・・・
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