2012年 / アメリカ 監督:アン・リー CAST: スラージ・ジャルマ、イルファン・カーン、タブー レイフ・スポール、ジェラール・ドパルデュー 第85回アカデミー賞 監督賞受賞 |
<STORY>
1976年、インドで動物園を経営するパイの一家はカナダへ移住するため船に乗り込む。しかし、太平洋上で難破し、遭難してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、猛獣も空腹となっていく。
<感想> 評価 ★3
海で遭難し、必死で乗り込んだ救命ボート。パイ少年の過酷な漂流の日々。次々と死んで行く動物たち。最後に生き残ったのは、パイ少年とトラだった。漂流生活の中で、パイと猛獣が心を通わす感動作?・・・予告CMでそう思い込み、予備知識ゼロで観たら・・・イヤイヤ(^_^;全く違いました。ただひたすら漂流の極限状態を見せられる作品で、ファンタジー感ゼロ。これは良い意味で騙された作品です。
すごいなと思うのはStoryの8割がパイとリチャード・パーカーと言う名のトラのみ。当然、コレと言った会話もない。だけど、飽きない。それはナゼだろう?過酷な環境を見せられるからかな?
トラはあくまでも猛獣で、生きるためにただ水と食料を求めるだけ。パイに対して従順じゃないため同じ救命ボートにいることができない。よってパイは、余り板で”いかだ”を作り、それを救命ボートにくくりつけて浮かしてその上で日々を送る。そんな時、トビウオを見つけてトラが海に落ちる。躊躇もあったがパイはトラを助ける。そして救命ボートをトラに与え、自分は”いかだ”生活を続ける。不思議に思うシーンなのだけど、最初からStoryを観ていたら、その行動の意味がなんとなくわかる気が・・・。大きな海原の中に遭難状態で、大波にもまれ、悪天候や厳しすぎる日差しにさらされながらも生きようとするのは、トラが生きようとする姿を見ることであったり、トラとの緊張感であったり、一種の共有感なのかも知れないと。
85回アカデミー4部門で(監督賞・脚本賞・作曲賞・視覚効果賞)受賞したのもわかります。
ほんとうは、宗教観なども表現しているのかも知れないけれど、私が感じたのは先の述べたもの。
映画と言うのは見るひとの感情や人種によるんじゃないかと思わせる1作でした。
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