LA PUTA Y LA BALLENA *娼婦と鯨*

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20140705_8681522004年 / アルゼンチン、スペイン

監督:ルイス・プエンソ

CAST:
レオナルド・スバラグリア、カローラ・レイナ
アイタナ・サンチェス=ギヨン、ペップ・マンネ
ミゲル・アンヘル・ソラ

<STORY>
乳ガンに冒された女性作家ヴィエラは、ある日、編集者である元恋人から1930年代のスペイン内戦で命を落とした写真家エミリオが残した手紙や写真を見せられ、取材をしてみないかと依頼される。ヴィエラは、遺品の古い写真に写る”娼婦ロラ”が自分と似ていたため興味を惹かれ、取材するためにアルゼンチンへ旅立つ。
ヴィエラがアルゼンチンで知っていくのは、エミリオと娼婦ローラの官能的に彩られた愛の物語だった・・。

<感想> 評価 ★4 
これぞ映画!です。想像した以上に素晴らしくて、ちょっと感動しています。
予備知識なしでも問題なく観れると思います。ただ、ん~、若い年代のひとにはこの作品のほんとうは理解できないのではないかと思います。ぜひ、アラフォー、アラフィフの方々、映画が好きだと言うマニアのひとに観てもらいたい作品です。
見終わってからわかったのですが、アルゼンチン映画批評家協会賞や、マドリッド・シネマトグラフィー祭最優秀撮影賞を受賞するなど、評価の高い作品だそうです。
映画は、現在のヴィエラと1930年代のエミリオ、ロラの話が何度も行き来しながら進みます。
この作品は、自由奔放なひとりの美しい女性が時代と自分の美貌に翻弄された人生の物語です。
自由奔放で若く、ただ(ずっと一緒にいたい)と言う感情だけでエミリオについてパタゴニアまで来たロラ。美しく魅力的で、いろんなことに興味がつきないロラは、宿として暮らしていた娼婦宿でも自由奔放に行動し、エミリオの愛を失うことになります。嫉妬心が理由で、娼婦宿のオーナーにお金でロラを売ってしまうエミリオ。パタゴニアにひとり残されたロラの生きる術は、娼婦宿で自分を売ることしかなかった1930年代、内戦の時代に生きたロラと、夫との冷めた関係の中で、乳ガンに侵され片乳房を失い、ガンとの恐怖の中で生きることになった現在に生きるヴィエラとの孤独感、喪失感、無情感を、バンドネオンの音楽の切ないメロディに乗せて時代を超えてリンクさせてありました。
その絶妙な手法で、観ているうちに、1930年代も現在もその違いなどどうでも良くなってしまうほど引き込まれました。
バンドネオンの甘美な音色、アルゼンチンタンゴの官能的な空気、そして、パタゴニアの雄大な自然、それらが絶妙に混じり合い、ほんとうに上質な大人の映画でした。
見終わったあとに、ため息がこぼれてしまったほどです。
私は以前から、南米に強く惹かれるものを感じるのですが、映画の中のワンシーン、バンドネオンの音楽とアルゼンチンタンゴがたまりませんでした。
その映像がこちら↓↓


ここ最近見た映画の中では、かなり印象に残る1作品です。
ん~、最近アルゼンチン映画が好きですよ、わたし

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