ANY DAY NOW *チョコレート・ドーナツ*

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20150119_10658662013年 / 米

監督:トラヴィス・ファイン

CAST:
アラン・カミング、ギャレット・ディラハント
アイザック・レイヴァ

<STORY>
1979年、カリフォルニア。弁護士のポールは戸惑いながらもゲイダンサーのショーパブを訪れ、ダンサーのルディと出会う。ふたりはすぐに惹かれあい、恋に落ちる。そんな時、ルディのアパート隣室に済むダウン症のマルコが部屋にひとり放置されていることに気づいたルディ。マルコを気遣い、面倒をみていたが、マルコの母親が薬物所持で逮捕されたため、結局、マルコは強制的に施設へと連れて行かれてしまう。その翌日の夜、ポールと共に自宅へ帰る途中、町を彷徨い歩くマルコを見つける。マルコはお家に帰るとアパートを探して歩き続けていたのだった。「薬物依存の母親もダウン症に生まれたこともマルコのせいじゃない!」とルディは言い、マルコを養育したいと言い出す。ポールはマルコの母親から養育権を認める書類にサインをもらい、ポールとルディの関係を”いとこ”と偽り、3人で生活をはじめる。それは愛情溢れる幸せな時間だった。しかし、幸せは続かなかった・・・。

<感想> 評価 ★4
単館上映ながら「本当に泣ける映画」と評判になった作品をやっとみました <遅い
私にとっては静かに涙が溢れ、心に深く残る・・・そんな映画でした。
マイノリティーが生きづらかった時代、人を愛することを貫いた彼らの物語です。そしてこれは実話だそうです。
子どもは愛されて育つ権利がある
私はそう思っています。
それは、私が母親であること、それゆえにいろんな子ども達と出会ってきた結果、今心から思う気持ちです。
正しい愛情とは規定できるものではないし、私の子どもへの愛が正しかったのかどうかもわかりません。ただ言えるのは、私の子ども達は私が彼らを心から愛し、育ててきたことだけは感じてくれているだろうと言うこと。
そしてその気持ちを全ての子ども達が感じて育ってほしい。そうあるべきだと。
「愛」と言うものを法廷の中で議論してしまうことの虚しさ(子どもへの愛、同性同士の愛含む)。法律の中で議論し、判決をすることが裁判であるけれど、その判決が、子どもにとってベストなものとは限らないし、同性同士の愛を非難する権利が誰にあるのだろうか・・と。本当ならば「その子どもが1番笑顔でいられる場所」を保護する者として選択する裁判であるべきだし、社会的に貢献している人間を愛情の形ひとつで偏見で見て、判決を下す時代は終わりにしてほしい。
ルディとポールのマルコへのまっすぐな愛を見てより強くそう感じました。
原題は「ANY DAY NOW」です。「今すぐにでも / いつでも」と訳せると思います。
これは、ラストにルディが歌う「I Shall Be Released」の中の歌詞から付けたのだろうと思いますが、邦題反対派の私ですが、「チョコレート・ドーナツ」はマルコが大好きな食べ物。素晴らしいネーミングだと思います。
ルディを演じたアラン・カミング。カレが素晴らしくて圧倒されました。歌声も素晴らしい。心が震える歌声です。
ポールを演じたカレも、ゲイと言う自分に戸惑いながらも偽りなく生きたいと望む姿。猛勉強をし、やっと手に入れた弁護士としての地位さえも危ぶまれるカミングアウト・・・マジメなカレの揺れる、迷う、そしてルディとマルコの暮らしに愛情を見いだすと言う押さえた演技が素晴らしかったです。
マルコ、素晴らしい役者さんですね。カレが演じることでこの映画に意味が生まれたと思います。
多くに人に観てもらいたいと心から思った映画でした。

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