1998年/カナダ・アイルランド 監督 :ポール・クイン CAST: アイダン・クイン、ジェームズ・カーン、 ジョン・キューザック、コルム・ミーニー、 モイヤ・ファレリー |
<STORY>
キアレン・ジョンソン(ジェームズ・カーン)はシカゴに住む中年の高校教師。
年老いた母フィオナは病に倒れてから意識がはっきりしない状態が続いていた。
ある日、キアレンは屋根裏部屋の箱の中から1枚の写真を偶然見つける。
その写真は、若い頃の母と思われる女性と男性が幸せそうに写っているツーショット写真であった。
写真の裏には「誰よりも美しいフィオナへ。君を愛するキアレンより」と書き込みがあった。
キアレン・・・それは彼と同じ名前!キアレンは病床の母親に問うが、年老いた母親は無反応であった。
アイルランドへ行けば、自分のルーツが何かわかるのではないかとアイルランドへ旅立つ。
<感想> 評価 ★3.5
人生で一度も恋をしない人はいないだろう。
まして、あなたの母が激しい想いを抱いたことがあったとしたら?
今は年老いて、若い頃を写真でしか垣間見ることができない母の恋。
キーワードは自分のルーツ。
ルーツを知る事は、母親の過去の悲恋物語りと母国の愚かな歴史を知る事に繋がっていく。
アイルランドは「信仰と呪い」が村の因習としてはびこっていた国だったようだ。
STORYは目新しいものではない。実際興行成績も良かった映画ではないと思うし。
歴史を踏まえた悲恋ものもよくある。強くお薦めする映画ではないが、俳優陣が素晴らしい。
若さと美貌と財力を武器に信仰をもろともせずに突き進むフィオナのしなやかさ。
施設の子供で養父母に恩義のある学のない農夫のキアレン。
ふたりの恋愛は”愛している”だけでは解決できない愛の現実を見せてくれる。
キアレンの純粋な瞳と不器用でも愛情溢れる言葉でフィオナとの愛を貫こうとする姿が
私の心の柔らかい部分を確実に押したらしく涙が出てしまった。
ジョン・キューザックもセスナ機に乗って現れる。ジョン演じるパイロットは自由の国アメリカの象徴のような役で、アイルランドの閉鎖感を尚いっそう際だたせたと思うし、
高校教師となっているキアレンが甥を連れてアイルランドへ渡り、甥がアイルランドの女の子と恋に落ちる設定も過去と今をコラボレーションしておりいい構成だとは思う。
久々に涙した映画。
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