1988年 / 米 監督:フィリップ・カウフマン CAST: ダニエル・デイ=ルイス、ジュリエット・ビノシュ レオ・オリン 第61回(1988年)アカデミー賞:脚色賞、撮影賞 |
<STORY>
有能な脳外科医で女好きのトマシュは、画家のサビーナをはじめ多くの女性たちと自由な関係を楽しむ奔放な独身生活を謳歌していた。そんなある日、ウェイトレスのテレーザと出逢い、同棲生活を始めるトマシュ。それでも彼の女癖は相変わらずだった。ソ連の軍事介入により、ジュネーブへと逃れる2人。しかし、テレーザはトマシュの女癖に堪えられずプラハに戻ってしまう。彼女を追ってトマシュもプラハに戻るのだが…。
<感想> 評価 ★3
1度この映画は、20代前半で鑑賞。
その記憶は、とにかく長い映画で(173分)トマシュがいろんな女性とSEXするStoryだが、ダニエル・デイ=ルイスが魅力的だったなと言うもの。
あれから約25年ほどの時を経て見直したら、全然記憶している映画と内容が違いました。
めっちゃ内容の濃い作品じゃないですか!ま、確かに20代前半で理解せよと言うのは酷なほど、軽いどころか重い内容の映画です。
しかも、チェコスロバキアの歴史に疎い私が、感想を述べることのできない部分もあります。
この物語は、男と女の恋愛やSEXだけを描いているワケでなく、’68年のチェコの動乱、いわゆる「※プラハの春」をベースにしたStoryだからです。
男と女と恋愛とSEXについて感想を言うとしたら、テレーザは、愛するトマシュが、自分と言う存在がありながらも、数名の女性と関係を続けていることに耐えられなかったワケです。
平たく言うと、私にとってトマシュが全てなのに、トマシュはそうではない。あなたの愛はどれだけ軽いのだと言うことですね。
しかし、今回映画を観て、私の年齢になったからこそ見えるものがあるなと思ったのは、トマシュは間違いなくテレーザを愛しているし、サビーナには失礼だが、結婚するならテレーザしかいなかったのだとわかるのです。
だからと言って、カレが浮気しまくるのを肯定するワケではないのだけれど、どれだけカレが女性関係を続けても、カレの中のテレーザの存在の位置、場所は不動だったのだと今なら理解できる。
だとしても、ソレを許し続けるほど、男と女は単純にいきませんもんね。
愛しているからこそ、嫉妬もするし、気持ちの持って行き場所がない。それが人を愛することですから。
なかなかの重い映画でした。
ちなみに、ミラン・クンデラの小説の映画化です。
※「プラハの春」とは
1968年、旧チェコスロバキアで始まった政治改革の総称。
共産党一党支配の「スターリン型」政治体制への批判が表面化し、より自由な社会を目指すべく改革の気運が高まった民衆に対し、改革の波が自国に押し寄せることを懸念した旧ソ連をはじめとする旧東欧諸国が、この改革を批判しはじめ、同年8月21日、ワルシャワ条約機構諸国が改革を阻止するために軍事介入を決行。旧ソ連軍がヴァーツラフ広場に戦車を乗り入れ占拠。これを「チェコ事件」と呼ぶ。
学生ヤン・パラフはこれに死をもって抗議したが、この事件によりチェコスロバキアの自由への革命「プラハの春」は実ることなく終結した
コメント待ってます♪