<あらすじ>
家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。
しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに
父から手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。
婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。
姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされていく。
完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作!
<感想>
麻美子とその家族・婚約者・麻美子を支える友人達で構成される話と、
同時進行で、圭一の人生とその家族・恋人などから構成される話が断片的に提示され
最後に繋がりを見せると言う手法で綴られている小説。
見せられるそれぞれの世界は謎や不思議があって興味深く、
どこでつながりだすのだろうかと興味を惹くのだが、その割に読むのにかなりの時間はかかってしまった。
私と文章のリズムが合わなかったのと、ムダな文章が多いからかも知れない。
とは言え、つながりが見え始めてからは意表をつくような事実も分かりだし一気に読破。
圭一の知った真実については私もやられた!と。
しかし、ラストに説教くさい文面が続くのが解せない。
それは小杉健治氏がこの小説で伝えたかった主旨なのだが
作者自らが文章にしちゃうのはどうなんだろう?と。
わかる人はわかる。そう言う読み手に任せちゃう方が良かったじゃないかな。
小説のラストには父親から子供に宛てた手紙が連続して出てくるのだけれど
あまのじゃくな私は、泣かせようとしてるようにしか思えず食傷気味になってしまった。
父親である男性が読めば感想も変わるのだろうけれど、私はおんなで、母親。
母親が子供に表す表現方法とどこか違うからハマれなかったんだろうなと思う。
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