Dojo 道場 永瀬隼介 著

<あらすじ> 
負け組で悪いか! 
ひょんなことから空手道場を預かることになったリストラ社員の藤堂は、道場破りのプロレスラーやロシアの金髪美人など、奇妙な人々が持ち込む難題の数々に、体当たりで挑む。
先輩の神野に頼まれて、空手道場を預かることになった藤堂忠之。
空手の腕はちょっとしたものだが、勤め先の広告代理店をリストラされ、再就職活動中の身、うだつのあがらない男である。
神野はなぜか失踪し、苦しい台所事情の中、藤堂は道場を守ろうとするが、そこに奇妙な人々が現われ、持ち込まれる難題の数々・・・。

<感想>
”強さ”とはいったいなんなのか、なんのために人は”強さ”を求めるのか?そんな命題をどっかと中心に据えて、そこで葛藤する人々を描く。先輩・神野の、触ると切れるような妥協なき”冷徹”な強さ、
一方、後輩・健三、中年サラリーマン・富永たちに支えられた藤堂が求める強さとは?
ラストの一編「技あり」でついに二人は対峙する・・・。
もちろん技や肉体の強靭さは判りやすい強さの基準だ。
妥協する決断もある意味で強さであり、”非情”に徹する感情も心の強さであるはずだ。
なのに、強さの象徴であらねばならぬはずの、道場主の主人公・藤堂は、人生に迷い、柔順不断で煮えきらない。
見方によればそれこそが心の弱さ?それとも優しさ?。
でも反面、藤堂は打たれ強い。
ねばり強くて決して折れない心こそ、純粋がゆえに脆い危なげな”強さ”とは違う、人間的で幅が広くて分厚い、包み込む力がある”強さ”だと伝わってくる、そんな感じか。
・・・たぶんハートなんだな、すべてはね。

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