<あらすじ>
最愛の妻を亡くした大学講師。
失意の底にある彼の許に持ち込まれた、戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは。二転三転する物語は、感動の結末へ。若い世代を中心に、今最も注目されている著者が満を持して贈る、渾身のミステリー巨編。今年度ミステリー小説界話題必至の1冊。
<感想>
毎回書くが「慟哭」を読んで以来、私は貫井徳郎のファンである。
ミステリー作家なのに優しさが根底にいつもあり、殺人を繰り返すなどというハードな部分はほとんどなく、それでも「謎」を張り巡らして謎解きの楽しみを与えてくれる。
そんな彼だから絶対にはずすことはないだろうと信じて読み始めた。
全470ページ中200ページほどが 『とある作家の自殺に至るまでの手記』 で綴られ読み応えある。
この過去の作家と一旗揚げたいと切実な野望を持つ大学講師の今をどう結びつけるのだろうかと期待したが、講師がハメられる罠の動機が私には納得できなくて、最後の最後、残念な気がした。
二転三転繰り返すラストは興味がそそられ読み止められないほどだっただけに・・・尚更。
けれど、貫井徳郎の文体が好きなら読んで損はないと私は思う。
コメント待ってます♪