(かみのめぐみわごうとりくみ)
2012年 平成中村座
<あらすじ>
町火消の「め組」鳶頭の辰五郎(中村勘三郎)は、品川の盛り場で、喧嘩っ早い鳶たちと相撲力士たちの小競り合いを収める。が、武家のお抱えの力士たちより鳶は格下だと言い放たれ、怒りを胸の内に押し殺す。
面子を汚された辰五郎は、兄貴分から諭されるも、密かに仕返しを決意。愛する妻と幼い子供に別れを告げ、命知らずの鳶たちを率いて、力士たちとの真剣勝負に乗り込んでいく…!
め組辰五郎 | 中村勘三郎 |
辰五郎女房お仲 | 中村扇雀 |
四ッ車大八 | 中村橋之助 |
霧月町亀右衛門 | 中村錦之助 |
紫井町藤松 | 中村勘九郎 |
九竜山浪右衛門 | 片岡 亀蔵 |
おもちゃの文次 | 中村萬太郎 |
島崎抱おさき | 板東新悟 |
<感想>
世話物と呼ばれる江戸の庶民話です。
相撲の力士たちは庶民の人気もの。武士らが贔屓の力士を ”抱え相撲” して、権力を誇示。そしてお抱え力士になれたものは、刀の帯刀も許される特別待遇に。
だからってんで力士は態度がデカい。
一方、町の火消しのめ組の辰五郎たちもプライド持って町に尽力してるのに、鳶の若い衆が力士と揉めた時、力士たちに見下げられた態度を取られたことに(こっちは江戸っ子だっ。ガマンなんねぇ)ってのがベースのお話。
面白い話しと言うよりも、江戸の町の雰囲気を味わい、歌舞伎役者の粋を味わう演目なんだと思います。
やはり勘三郎さんは素晴らしいですね。
め組の法被(はっぴ)を着て見得を切り、キセルでタバコを粋に吸う。
歌舞伎ならではの、暗闇の中での喧嘩のシーンなど、これぞ歌舞伎!と言う艶やかな所作。
若い衆をから人望のある雰囲気も凜々しくて江戸っ子のカッコ良さでした。
お相撲さんの長:四ッ車大八を演じるのは中村橋之助さん。
カレも演技上手い!
相撲力士のように見せるため、肉襦袢を着ての演技は大変だろうけれど、人気力士の風格の漂う声音で良かったです。
コミカルな役からなんでもこなす片岡亀蔵さんの今回は九竜山と言う力士役。
亀蔵さん、好きだな。
私、ご贔屓の勘九郎さん。出演者が多い作品だったせいで、見せ場は少なかったけど、この作品は、今からたった5年前の作品。
それを思うと、今の勘九郎さんがたったの5年でどれだけ役者として成長されたか・・と言うことです。
そして5年前には、こんなに元気で歌舞伎やってたのね、勘三郎さん・・・と言う
ほんとうに惜しい人を早くに亡くしました。
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