<あらすじ>
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
<感想>
この小説はやたらと評判が良かった。
賞も「09年本屋大賞1位」「週刊文春08年ミステリーベスト10、第1位」
「ミステリが読みたい09年度版、第3位」「このミステリーがすごい!09年版、第4位」など肩書きだけでも相当なもの。
なので、気になりつつも、読む気分になれず放置していましたが、文庫化され、映画化までされたので今回チャレンジ。
読み終えた感想は、とてもセンセーショナルな設定を使って、心理戦で「復讐」を描いた作品だなと言う感じです。
複数の、立場が違う人たちがひとつの事件について章ごとに語っていく設定は、面白くはあったけれど、リアリティが少し欠けていて、絵空事のような印象でした。
それこそ映画なら映像としておもしろいかも知れませんが、小説だとリアリティ感が強い程に恐怖感が増すので、その部分が薄いミステリーとも言えます。
ある種、娘の死をきっかけに倫理観などを中学生に語るのが常識だろうところを、センセーショナルな設定をすることで不謹慎ながらエンタテーメントとして置き換えている感じです。
愛娘を殺された女性教師が感情を抑えて語る冒頭のシーン。冷静に語られれば語られるほどに恐怖感を煽ります。
また、後半部分で事件と関わったふたりの少年にとって、「母親」の存在がどのようなものだったかについてかなりの書かれています。
「母親」がどれだけ大切な存在であるか、母親の言葉、表情、行動がどれだけ子どもに影響を与えていたか・・・的な表現なのですが、どうもそこが気に入らない。
子どもにとってそこまで母親の影響って大きいんでしょうか?
自分は娘であり、現在2児の母。それなりに一生懸命に子どもを育ててきたつもりだし、育てているつもりだけれど、その部分にスポットを当てられると非常に怖くなります。私の一言や、ふとした態度がこれほどまでに敏感に影響を受けているとしたら、こんなに恐ろしいことはありません。
気持ちのいい小説とは思いませんでした。センセーショナルな設定に対してはHIV感染=死を感じさせるような表現も多く見られ、HIVとエイズの扱い方もイヤな印象です。
人を赦すことについて書かれた小説は過去に読んだけれど、このような読後感の小説はめずらしいかも知れません。そう考えるとこの小説は私の中に衝撃を与え、疑問を感じさせるなど心を大きく波立たせたと言う点では成功しているのかも知れません。
コメント待ってます♪
エイズ(HIV)とはどんな病気?
エイズ(HIV)感染についての状況や症状などをお伝えするサイト
ゆ~てたヤツやね
母親の影響ねえ
誰かのせいにしたいだけやん・・・
こな味さん
うん、今度読んで欲しいわぁ
話題の本やしぃ~
土曜日に映画で観てきました。急遽いつものおばさま方と行くことになって、本を読んでいる途中だったので、前夜一気に読み上げていってきました。早食いした食事のようで、まだ自分の中でこなれていない感がありますが、ほぼ原作にそった映像であったと思います。なのでその分血が流れ・・・かなり残忍でえぐいです。
後日感想があるかもしれませんが、今のところ うーーーーんです
サクラ
映画見たんだねぇ。小説とほぼ同じなんだ?
そぉーなんだ。それなら結構残忍なシーンも多いかもね。
名作と言うより問題作と言うジャンルだろうね。小説もそうだもん。