<あらすじ>
父は元過激派だ。
小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても「変わってる」と言う。父が会社員だったことはない。物心ついたときからたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、ほかの家はそうではないらしいことを知った。父はどうやら国が嫌いらしい。昔、過激派とかいうのをやっていて、税金なんか払わない、無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが……。
――型破りな父に翻弄される家庭を、少年の視点から描いた、長編大傑作。21世紀を代表する新たなるビルドゥングス・ロマン
<感想>
あぁ~悔しい。奥田氏の小説は全部おもしろいじゃないか!
ここに感想を述べている5冊はどれもおもしろく分厚いクセに一気に読ませてしまう。奥田氏の小説は今や私を裏切らない作家のひとりだ。
主人公は小学生。主人公が子供と言う設定は小説でも映画でも好きでないが、この作品は上原一郎という人物を、息子の目を通して描いていくという手法がよりおもしろくしているのだと評価できる。前半の東京での暮らしと二郎の友達、そして不良中学生との関係。2部の西表島に移住してからの生活。まったく違う設定であるが両方おもしろかった。
読もうかな?っと迷ってるなら読まれる事を勧める1冊。
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