その日のまえに  重松清 著

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20090507_690588

<本帯より>
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。
生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。
世の中にこんなにたくさんひとがいて、こんなにたくさん家族があるのに、どうして和美―だったんだ?どうして、我が家―だったんだ?悔しい。悲しい。僕は子供達の方に両手をかけたまま強くまばたいて、まぶたに溜まった涙を外に絞り出した。涙よ、邪魔するな。僕は自分の妻を、もっと、ずっと、見つめていたいのだ。

<感想>
「死」に直面してしまった人たちの7つの短編集。「死」がテーマなので泣かせようとしてる小説と思うかも知れないが違う。文章はむしろ淡々と事実だけを語っている。本人が、家族が、友人が、「死」をそれぞれの立場で受け入れようとする真摯な姿に、ふっと語る言葉にぐぐっと来てしまう。
小学時代、海で行方不明になった友を「死と直面した今」思い出し、思い出の地に赴く「潮騒」。
母親が息子の事を心配し、息子が母を思う「ヒア・カムズ・ザ・サン」。
夫、幼い息子たち、父親、それぞれが受け止める「妻・母・娘」の死を描いた「その日」には自然と涙してしまった。

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