2009年 / 米 監督:ニック・カサヴェテス CAST: キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック ソフィア・ヴァジリーヴァ |
<STORY>
サラとブライアンのフィッツジェラルド夫妻は長男ジェシー、長女ケイトとの4人家族で幸せに暮らしていた。しかし、ケイトが2歳の時、白血病を発症してしまう。両親は未来ある娘の生命を救うため、遺伝子操作によってドナーにぴったりの新たな子供を“創る”ことを決断。こうして生まれてきた次女アナは、幼い頃からケイトの治療のために臍帯血の提供にはじまって、輸血や骨髄移植などさまざまな犠牲を強いられてきた。しかし、ケイトの病状は一進一退を繰り返し、両親はついに残された最後の手段である腎臓移植を決意する。だが、アナはこれを拒み、弁護士を雇い両親を相手取って訴訟を起こす。「もうこれ以上、姉の犠牲にはなりたくない。自分の体に対する権利は自分で守りたいの」と。突然の娘の反乱に戸惑う両親。しかし、アナの決意は変わらない。はたして前代未聞の裁判の行方は?そしてケイトとアナの姉妹の運命は…!?
<感想> 評価 ★3.5
お涙頂戴ものの映画ではなく、子どもの人権やアイデンティティを考える深い映画でした。
映画として観るのなら、母親役はキャメロンでなくても良かったと思います。キャメロンである必要がないと言う方が正しいかも知れません。それだけ原作(ジョディ・ピコーの「わたしのなかのあなた」)がすばらしく、内容のある小説だからです。
母親の立場で観るなら、子どものためにやりすぎだと思いながらもやれることすべてしたいと考え行動するだろうと思います。私の子どもが白血病ならドナーを産まないと言い切れない。けれど、産んだ子どもをドナーだと割り切れるワケはなく、そこには永遠の葛藤があり続けるでしょう。けれど、「自分の体のことは自分で決める」とドナーとなることを拒否した子どもに怒って腎臓を姉にあげてくれと私ならけして言えないとも思うのです。
映画の中でアナが訴訟をおこした本当の気持ちがわかります。自分よりも家族を愛する気持ちが溢れている真実で、これしか選べなかったアナとケイトのきもちが痛いほど伝わりグッときました。
医学の発達ともに、倫理観を問われる問題も増えてきました。良い悪いじゃなく、それぞれの問題を深く考えていくことこそが智であると思います。
また、小児がんの患児を抱える家族の苦悩をこの作品を通じて多くの人が知り、支援の輪が広がればと思いました。
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