<あらすじ>
亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。
<感想>
新聞広告でこの本を見つる。惹かれて購入。
約288ページを2日で読む。
沼田まほかる氏の著書は初。
買いに行った本屋ではホラー・ミステリージャンルになっていた。
ちょっと解せない。ミステリーではあるが謎ときをする小説ではないし、そこを狙っている小説ではないと思う。
冒頭から主人公:亮介は半年のうちに、婚約者が失踪。父親に末期がんが見つかり、突然に母親が交通事故で亡なる。奇妙とも言える負の連鎖を感じた亮介。そんな時、実家の押し入れから4冊の手記が見つかる。日記なのか小説なのかわからず読み始めるところから話が展開していく。
半分は想像範囲の展開だったが、残り半分は(そうくるか?)や(まさかここまでなの?)と言う感想。
残虐ではないが残酷な話のオンパレードで、けしてきもちのいい話ではないのだが、読みたくなくなるほどの嫌悪感は起こらなかった。不思議だ。
「殺人」については、現実にあり得るだろうとも思うし、犯した罪は罰せられるべきだと思うのだけれど、怒りを感じないのだ。
中盤はほんとうに引きつけられた。その分、後半は都合良く話しが進んだ気がして若干興ざめ。婚約者の失踪のくだりにもうふたひねりほどあったら、すごかっただろうと思う。
沼田まほかる。これからしばらく読むだろう作家をひとりみつけた。
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