2010年 / 米 監督:ダーレン・アロノフスキー CAST: ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル ウィノナ・ライダー、バーバラ・ハーシー、ミラ・クニス 2010年アカデミー主演女優賞:ナタリー・ポートマン |
<STORY>
ニナはバレエ団のソリスト。次シーズンの演目「白鳥の湖」のプリマ(主役)オーディションに合格したニナは念願のプリマの座を射止める。しかし、彼女は優等生の完璧主義者であるが故に感情を表に出した演技が苦手。オデット(白鳥)の演技は出来てもオディール(黒鳥)の表現に問題があると監督のトマに厳しく指導される。悩みだし、不安になりはじめたニナの周りで不思議な事が起き始める。
<感想> 評価 ★4
ナタリー・ポートマンが2010年(83回)アカデミー主演女優賞を受賞した作品です。
彼女の力量ありきの作品と言えるでしょう。
Storyはシンプル。
優等生であるニナは、プリマ(主役のコト)を獲りたい野心があるものの、いつも控えめに感情を抑えています。そんなある日、新しい公演の主役:スワン・クイーンに抜擢されます。喜こんだのもつかの間、難役の黒鳥(オディール)の表現に悩み、精神的に追い詰められいくと言う精神世界を映像化した作品です。
結局、ニナの体験する初体験やニナが感情のままにする行動のほとんどは自作自演と言う自分で自分を追い詰めドツボにハマるさまを描いています。
追い詰められていくニナを見ると(身の丈に合ったことをして生きることが幸せなのかも)と思ってしまうほどの追い詰められ状態です。
鏡に突然恐ろしい顔の誰かが映りこんだり、イヤな音や、影が見えたり、絵画の目が動いたりとホラーちっくな演出をされていますが、これはミステリーでもホラーでもないと私は思います。
とにかくコレと言って何も起こらず、ひとり錯乱していくニナを見続けるワケですから2/3ほどは映画に入り込めない感がややありましたが、舞台の初日に、ベビーフェイスでいつもおどおどしているニナが、オディール(黒鳥)になった瞬間、目を血走らせ、妖艶にほほえみ踊り出すあたりはナタリー・ポートマンに釘付けになりました。
さすが、魅せてくれます。
幼い時にバレエをやっていただけと言うナタリーは10ヶ月に及ぶ猛特訓の末、ほとんどのバレエシーンを彼女自身が踊りきったと言います。バレエシーン、すばらしかったです。
しかし、主演女優賞を獲ってから「ほとんどのシーンは私が踊ったんです」ってバレエシーン代役のプロのバレエダンサーが言い出したって話しです。良くあるリークですけど、このニュースにはあまりガッカリしませんでした。そりゃナタリーがすべてやってるならすごいけれど、そうじゃなくてもこの感動は同じだなとも思います。つまりバレエ映画ではないと言うことですね。
踊りきったあと、恍惚とした表情でニナが発する言葉。それが彼女の追い求めていることなんだなと思いました。
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