THE DEVIL’S DOUBLE *デビルズ・ダブル ~ある影武者の物語~*

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20120921_27776272011年 / ベルギー

監督:リー・タマホリ

CAST:
ドミニク・クーパー、リュディヴィーヌ・サニエ

<STORY>
20世紀末、世界中の国家を敵にまわしたイラクの独裁者:サダム・フセイン。彼にはタブー視されていた息子がいた。”狂気の申し子”と悪名高く(ブラック・プリンス)と呼ばれた長男:ウダイ・フセイン(1964.6.18-2003.7.22)。そのウダイに顔が似ているという理由で選ばれ、家族の命と引き換えにウダイの影武者を引き受けることになった男がいた。男の名はラティフ・ヤヒア。整形手術と付け歯、徹底した所作訓練でウダイに酷似させられたラティフはウダイとして生きることを強いられ、「サダムの息子が前線にいる」と言うパフォーマンスのためにと戦火の地さえも送られた。莫大な資産と全てを思うがままにすることを許される権力、毎夜抱き替える女たち、そして理由なき血への欲求-。ウダイの飽くなき狂気に寄り添い、影武者として傍らで応え続ける日々に自身を容認できなくなったラティフだが、彼には生死を選ぶ自由さえ許されてはいなかった。逃げても執拗に追いかけてくるウダイ、ついに戦うことを決意するラティフ。悪魔と対峙することを決意した彼がどう立ち向かい、何を得、何を失うのか-。

<感想> 評価 ★3

20120921_2777628ドミニク・クーパーの演技力がなければ映画として成立しなかったと言い切れる作品でした。 左の画像はドミニク・クーパーが演じた二役のシーンです。左がラティフ。右がウダイ。 ドミニクは、このふたりの人物を演じ分けていました。目の表現ひとつを取っても、素晴らしかったです。演じ分けは監督の意図するところでもあったようですが、同じ人物が演じているとは思えなかったです。 この作品は、ラティフ・ヤヒア氏が、湾岸戦争前後の1987年~1991年をウダイの影武者として過ごした地獄の日々を自伝として発表、それをベースにラティフ自身も参加し、脚本・撮影されたドキュメンタリータッチの映画になっています。 映画の中で描かれているウダイの日常は狂気に満ちており、残虐シーンもいくつか描かれていましたが、ラティフ氏によると真実がもっと残虐で、映画では事実の30%しか描けなかったとインタビューで語っていました。映画を観たあとにぜひラティフ氏のインタビュー記事を読んでもらいたいです → ココ これは過去のコトではありますが、私が20歳~24歳の頃の話です。日本がバブルの時期を越え、崩壊したあの頃に、イラクではこんな人間がすることと思えない残虐なことが起こっていたんだって事実。鳥肌が立ちました。しかし、この作品は映画であり、ドキュメンタリーじゃありません。この作品から何がわかるのか?それは、ウダイに似ていると言うだけで自分の未来・人生を取り上げられたラティフと言う人物の事実が描かれているだけです。 そう思うと、ドミニク・クーパーの演技力がなかったら、見るに堪えない作品でしかなかったと思うのです。 独裁者の一端を見た作品でした。

 

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