2011年 / 米 監督:デヴィッド・フィンチャー CAST: ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ ロビン・ライト、クリストファー・プラマー スティーブン・バーコフ、ステラン・スカスガルド |
<STORY>
それは40年前に失踪した少女の捜索依頼から始まった。
スウェーデンを揺るがせた財界汚職事件の告発記事を書いたジャーナリストのミカエルは、名誉毀損で敗訴し意気消沈していた。そんなカレの元にスウェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長:ヘンリック・ヴァンゲル老人から家族史編集の依頼が舞い込む。実はヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘:ハリエット失踪事件の真相究明だった。当時、手がかりもなく、遺体すらも発見されないままコールドケースになっていたが、ヘンリックはハリエットが一族の誰かに殺害されたと思っていた。ミカエルは、過去を調べているうちに、成功の陰に隠された一族の血塗られた過去に気づいていくが手詰まりになっていた。一族の弁護士でヘンリックの親友でもあるフルーデがミカエルの助手にと雇った女は、リスペットと言う名の痩せて顔色が悪い小柄な女。肩口~背中にかけてドラゴンのタトゥーが彫ってある異彩な風貌だった。しかし、彼女の情報収集能力と洞察力は鋭く、ハリエットの事件が連続猟奇殺人事件と関連があることを突き止めたのだった・・・。
<感想> 評価 ★4
見終わって、良質のサスペンスだ!と思いましたが、冒頭約30分は、観るのがしんどかったです。と言うのも、登場人物が多い上に名前がスウェーデン系のため、長くて覚えられない。しかも始まりが「財界汚職事件の裁判」のため(むずかしそう@)と思ってしまう。そして何よりも、主役のミカエルとドラゴン・タトゥーの女:リスペットがなかなか接触しない。そんな展開だったため、先が想像できず、とうとう冒頭20分でDVDを止めてあらすじを確認しました(^^;)
よって、この作品はあらすじを把握して鑑賞するのがベターです。冒頭30分を越えると、一気に映画に引き込まれます!まさしくデヴィッド・フィンチャーの世界観と極寒の北欧の町の閉塞感、静寂の中の恐怖感・・・とてもマッチしていました。
作家のラーソンは、元ジャーナリスト。ヨーロッパに潜むネオ・ナチ、白人至上主義など組織の実態を暴いていたそうで、作家になってからはそれをベースに、企業犯罪、女性に対する暴力などを描いてきたそうです。この映画のベースもこの流れです。
R15なので過激なシーンが何度かあります。それはリスペットの背景を描くのに必要だったのでしょう。なくても映画の本筋には影響がないとも言えますが、前半にリスペットの壮絶な背景を描くことで、彼女の行動の意味を奇異に感じることなく、むしろ彼女を好意的に見れたとも思います。
このレビューを書くにあたり調べたところによると、スウェーデン版と本作、描き方もリスペットの雰囲気もかなり違うようです。セクシーじゃなく少年ぽいリスペットだからこそこの作品の魅力が増した気がします。とくにラストシーン・・・なんだかこの映画の最後だけリスペットの心の奥が見えたようで少し切なくなりました。
さて、この映画のテーマ曲になっているのが、レッド・ツェッペリンの「移民の唄」です。これをカレン・Oがカバーしているのですが、この曲がこの映画の雰囲気に本当にあっていました。
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