<あとがき>
わたしは結婚さえすれば、恋愛地獄から解放されるのだと思っていた。
悪霊ケッコンガンボーは確かに去ったけれど、ふと足元を見ると、
ずぶずぶと砂に埋まっていく自分が見えた。
惚れたのはれたの、嫉妬だの浮気だの、そういう事から逃げることはやはりできないのだ。
<感想>
これは山本文緒さんのエッセイ集。彼女の魅力がいっぱい詰まっている。
エッセイだからと気合いを入れすぎず、とても素直に、
しかも真剣に人生に対している姿勢が、自然に描かれている。
本文の中に、
『とにかく私はその男の人が好きで好きで、
浮気どころか完全に二股をかけられているのも承知で、それでも好きで、デートできることが嬉しくて、毎日がその人と逢っている時間と逢っていない時間の二種類にしか分けることができなくて、つき合いはじめて二年たってもまだ逢う度にどきどきして、親に泣かれようが殴られようが外泊しまくって、バイト代を全部彼とのデートやプレゼントにつぎ込んで、
それでもその人から ”安心” を受け取ることは一度もなかった。何もできない私。
頭も悪いし、運動神経も悪いし、性格ももっと悪いし、不美人で小太りで卑屈な私。
その私が唯一の得意分野を放り出したら、ただの三十路のプー太郎である。
小説なんか書かなくても、君が好き。
そう言ってくれる人はいない。いないのだ。書くしかない。私は書くしかないのだろう、きっと』
コレ、すごくわかるのは私だけかな?
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