”また来るよ”

実現する

カレとの出会いは1999年。
夫が草ラグビーチームを作ったことがきっかけだった。
子どもの年齢が一緒だったから、両家でキャンプしたり、旅行したり。NZにも行った。
カレとは屋久島の縄文杉も一緒に見た。
時々デリカシーがなくて、カレは私を怒らせることがあったけど、自然とまた元通り。
友だちと言うより身内。

去年の４月、体調が優れないって聞いた。
検査の結果、思わぬシビアな病気だった。
コロナ渦でお見舞いに行けない中、カレは懸命に治療を受けたけど、数ヶ月前から緩和ケアに。

約1年ぶりに会ったカレの姿は変わっていたけれど、やっぱりカレだった。
私が剥いたりんごを食べて、カレの浮腫んだ足をマッサージしながらいろんな話をした。

「数人で集まってお酒が飲みたいな」って。
実現させようと思う。絶対に。
待っててね、必ず近いうちに実現させるから。

病室を出る時、「また来てな」って。
「また来るよ」って約束したからまた行くね