書籍評 桐野夏生

魂萌え! 桐野夏生 著

投稿日:2010-03-04 更新日:

<あらすじ>
夫婦ふたりで平穏な生活を送っていた関口敏子、59歳。63歳の夫・隆之が心臓麻痺で急死し、その人生は一変した。8年ぶりにあらわれ強引に同居を迫る長男・彰之。長女・美保を巻き込み持ちあがる相続問題。しかし、なによりも敏子の心を乱し、惑わせるのは、夫の遺した衝撃的な「秘密」だった。

<感想>
過去の桐野作品とは雰囲気が違う作品だった。
「魂萌え!」の主役は「OUT」や「柔らかな頬」の主人公が持つ違和感や怒りを持たないどこにでもいるような平凡な主婦=敏子。彼女が立ち向かうのは、ツライ現実だけれど世間的には特別珍しくもない出来事である。けれどそのあり得そうな日常に一喜一憂しながら成長していく59歳の老年期目前の女性の生き様に感動すら覚えた。
きっと、こうして多くの主婦は日常を恙なく(つつがなく)暮らすために、
≪なんとなく感じている違和感に気付かないフリをして目の前の事だけを処理して生きている≫のだろう。
読みながら、母親が越えてきた人生を見たような気がした。そして、ソレは私とは違うと確認したようにも思う。読みながら、読み終えても尚、
還暦目前で人間として強く成長して行こうとする敏子さんを応援せずにはいられなかった。人生死ぬまで勉強・努力と言うことか

-書籍評, 桐野夏生

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