井上荒野 書籍評

「切羽へ」 井上荒野 著

投稿日:2011-05-04 更新日:

20110504_20719752008年直木賞受賞作品

<あらすじ>
かつて炭鉱で栄えた離島で、小学校の養護教諭であるセイは、画家の夫と暮らしている。奔放な同僚の女教師、島の主のような老婆、無邪気な子どもたち。平穏で満ち足りた日々。ある日、新任教師として赴任してきた石和の存在が、セイの心を揺さぶる。彼に惹かれていくー。夫を愛しているのに。もうその先がない「切羽」へ向かって。

<感想>
「井上荒野」「直木賞作品」かなり期待して読んだのだけれど、私の思っていた世界観と少々ちがいました。とは言え井上荒野さん、感情を文章にしていないのに、文面からセイの感情が伝われるのは井上さんの文章だからこそ。
セイが石和に惹かれていく気持ちがとてもわかるけれど、具体的にどこに惹かれたのかは最後まで書かれていません。それが知りたかったような、ハッキリわからないからこそ恋なのかもとも思うワケです。
もうその先がないことを切羽(きりは)と言うそうです。この言葉も感じも儚さを感じる単語で、この文字がこの作品をより魅力的にしているように思いました。
 

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