Joker * ジョーカー *
2019年 / 米 監督:トッド・フィリップス CAST:
アカデミー主演男優賞:ホアキン・フェニックス |
STORY
孤独で心の優しいアーサーは、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。
感想 ★4
アメコミ「バットマン」の悪役ジョーカーが誕生するまでを描いた作品ですが、もうこれはアメコミじゃありません。
一応舞台は、架空都市=ゴッサムシティです。
いつものように街は荒れ、ゴミだらけ、犯罪だらけの荒んだ街。
そんな社会の中でアーサーは、母の教えを胸に、人々を笑顔にする仕事=クラウン(ピエロ)をしながらコメディアンになる夢を持ち続けるピュアな男です。
だけど、現実はコメディアンになる道は厳しい。収入はほとんどない。
面白くもないところで笑いだしたら止まらない病気持ち。
良かれと思ったことは裏目に出るし、街でクラウンの仕事をすると、若者の標的にされ、殴られ、蹴られ・・・。
とうとうアーサーのミスで解雇されてしまう。
悪循環のサイクルに入ってしまうとそこから抜け出せず、どんどん悪い方向に歯車が回る。
アーサーの話しをまともに聞いていない市職員カウンセラーに、「これまで生きてきて、自分が存在しているかもわからなかった」って言うシーンは、もうなんか突き刺さる。
こんな社会じゃ自己愛を失うよね
とうとうアーサーは、気持ち悪い、恐ろしい、化け物・・浴びせられ続けた罵詈雑言を「ジョーカー」となることで受容し、ジョーカーになってしまうワケです。
ジョーカーとなったアーサーは、ある意味、カッコ良くも見えるんだよね~。
全米で上映された時、映画館が「子供に『ジョーカー』を見せないように」と警告したり、作品に影響されて犯罪に走る人を懸念して、犯罪注意警告を発令し、ニューヨーク市警は厳重な警戒態勢を取ったなどニュースに話題になりました。
実際は、大きな事件は起きませんでしたが。
映画を見終わった今、この作品を見て暴動が起きるって意味が分からんのは日本人だからですか?
低収入、貧困、それはアメリカに限らずだし、もし暴動が起きるとしたら、やっぱり銃社会を許してるせいでしょう。
個人的には名作と言うより、「強烈に印象に残る映画」。
それは一重に、アーサーを演じたホアキン・フェニックスによるところ。
快演でした。
この人、こんなに凄かったんかーって感じ。
映像の中のカレの存在たるや、凄いんだわ。
メッチャクチャカッコ良く見えるシーンもあったし、減量して役作りをしたホアキンの痩せ細った身体が余計に切なくさせる。
観た方が良いよとは言えないけれど、それなりも2020年の今、見る価値はある作品だと思います。
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