シネマ歌舞伎 6月 「刺青奇偶」

歌舞伎観劇記

作:長谷川伸
演出:寺崎裕則
CAST:中村勘三郎、坂東玉三郎、片岡仁左衛門

※平成20年4月歌舞伎座での公演の映像

20130620_338547<STORY>
生来の博打好きで江戸を追われた半太郎は、身投げした酌婦のお仲を救う。不幸続きの人生を送ってきたお仲は、本当の親切心から自分を救ってくれた半太郎の心根の美しさに胸を打たれて、生まれて初めて会った男らしい男、半太郎の後を追う。
こうして半太郎とお仲は夫婦となるが、半太郎は博打を止められない。やがて死病に罹ったお仲は半太郎の行く末を心配し、博打を止めて欲しいと願って半太郎の二の腕にサイコロの刺青を彫る。博打を断った半太郎だが、この世の名残にお仲に良い思いをさせたいと博打に出かけ、賭場に難癖をつけ叩き出されてしまう。ところが、鮫の政五郎親分から意外な話を持ちかけられ、お仲のために、政五郎親分との命を懸けた勝負に挑むことになり…。

<感想>
半月ほど前、京都南座ではじめて歌舞伎を見た。
私の思ってた感じの演目に、思ってたような展開で、歌舞伎は想像していた範囲のモンだったなと言う感想。もちろん、おもしろかったし、奥深さを感じられたので、演劇好きの私は機会があれば、演目・演者を変えて観劇したいと思ったし、片岡仁左衛門さんが活躍されている今の間に近々仁左衛門さんを観に行こうとは思ったけど、歌舞伎にハマるまでには至らず。
何度か歌舞伎を観劇しているサクラには「五月歌舞伎」は足らなかったようで、「ほんとうに見せたかったのは、もっと違う歌舞伎なんだよね」と言い、「月イチシネマ」の話をし、「映画だけど、良かったら1作品でも見ない?きっと、私がnagiに観て欲しいと思ってる歌舞伎はコレだって思うはずだから」と誘ってくれたので、映画は好きだし、歌舞伎に興味も出てきたし、何よりも秋に一緒に行く旅行の話を詰める必要もあったので、正直なところ、あまり期待しないでOKをし、「刺青奇偶」を観ることに。
これが歌舞伎なの?最初に思った感想。
時代設定が江戸で、セリフまわしや出てくる単語は多少わからない言葉もあるものの、私が知ってる時代劇と大差がなくて、私の持っていた歌舞伎のイメージを覆されました。
笑いがおこる喜劇ものも多い中、この作品は悲哀もの。
板東玉三郎さん演じる”お仲”、中村勘三郎さん演じるいい男なのに博打がやめられないダメダメ男の”半太郎”。ふたりの演技力が素晴らしくて映画に釘付けになりました。
そして、中村勘三郎さんが亡くなったことを、今更ながらに惜しく、哀しく想って、途中のシーンで半太郎が涙を流すシーンで一緒にもらい泣きしてしてしまいました。
映画の中の歌舞伎役者:中村勘三郎は本当に素晴らしい役者さんです。ダメ男の半太郎を演じていても、惚れてしまいそうになりましたもん。
もっと早くカレを知ってたら、間違いなく歌舞伎ファンになってたと思います。
ほんと魅力的。
歌舞伎座でこの作品を観たら、席が前じゃないだろうから、各シーンで勘三郎さんと玉三郎さんが演じている細かい表情やしぐさ、動きが見えなかったろうと思うのです。映画だけど、映画だからこそクローズアップされるため、役者さんがどのシーンも魂込めて演じられているんだとわかります。ホンキで泣いているし、ホンキで相手に惚れている気持ちが伝わる演技。
月イチシネマは、歌舞伎座新開場こけら落とし記念として毎月期間限定で1作品を上映している企画です。3月から始まって、残りは7、8、9、10月。
それぞれ1週間しかないので、気合い入れて観に行かないと観れないとは思いますが、
次回7/6(土)~12(金)まで「怪談 牡丹灯籠」になってます。
youtubeの予告を共有しましたので、興味を持ったらぜひ観てくださいね

まずは私が観てきた「刺青奇偶(ちょうはん)」
 


7月6~12 上映予定 詳しくは→ココへ 

 

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