2005年/米 監督 :スティーブン・スピルバーグ CAST: エリック・バナ、ダニエル・クレイブ、 ジェフェリー・ラッシュ、モアラン・ハイズ マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー |
<STORY>
1972年9月、ミュンヘンオリンピックにて傷ましい事件が起きる。パレスチナゲリラ「黒い九月(ブラック・セプテンバー)」によるイスラエル選手団襲撃事件が起きたのだ。この事件によりイスラエルの11人のアスリートが命を落とすこととなる。イスラエル政府は「目には目を、歯には歯を」とばかりにこのゲリラに対し報復することを決める。政府はイスラエル機密情報機関”モサド”に命じてチームを編成。そして各地に潜むブラック・セプテンバーの実行犯を一人一人暗殺するよう指示した。チームのリーダーに選ばれたのはアフナー(エリック・バナ)。妊娠中の妻を残し長い長い国家を挙げた復讐の旅に出る。
<感想> 評価 ★3
重い映画だった。
イスラエル×パレスチナ問題は現代でも尚、解決の糸口さえ見つからない紛争である。この紛争が25年以上も前からあり、ミュンヘンオリンピックでこんな大事件を起こしていたなんて恥ずかしいが初めて知った。中東問題、ことにイスラエル×パレスチナ問題は日本人に理解しがたい紛争の1つだと思う。映画の中ほどで、パレスチナ人がドイツ人と思いこんでいるアヴナー対し、イスラエルの土地をどれだけ愛しているか、土地をパレスチナのものに出来るためなら命さえいとわないと話すシーンがある。<我が国>と言う土地への慕情は人間にとって、とても深いものなのだと言う事実を突きつけられた気がして印象に深く残った。結局、イスラエルの選手がパレスチナに襲撃されたのは、イスラエルを建国するためにパレスチナからの土地の簒奪した報復だったのだろう。ではどうしたらパレスチナ問題が解決するのだろうか?見当がつかない。私が望むのは、ただただ暴力の連鎖を止め、これ以上互いの国を冒涜しあうことをやめ、失われた命の鎮魂を願うことだけだ。
戦争も、テロも、テロの復讐をする行為も(これもテロだ)みんな国家のためにと行われるけれど、個人になんのプラスがあるのだろう?満たされるのは愛国心だけじゃないのか?その愛国心でさえ、死と隣り合わせで生きていくスパイ生活、殺めた人への人間的感情・・・そんなもので精神を衰弱させていくだけ・・・エリック・バナが演じるアヴナーの生き様でそれを感じた。
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