愛逢い月 篠田節子 著

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<あらすじ>
甘く切ない恋の至福のときは短くて、頂点を極めたあとには、ただ、
執着と妄想に満ちた永い時間が続くだけ・・・・・。
かつての恋人と共に、死者の世界を永遠にさまよう甘美な地獄を
幻想的な筆致で描く『38階の黄泉の国』。
出ていった男を待ち暮らす寂しい女の危うい心理を追う『ピジョン・ブラット』など、恋と、恋の残滓の中にひそむ、恐怖とサスペンスとミステリーを描く愛の終わりの物語全6編。

<感想>
短編集なので読みやすい。
6話の中には、好きな作風とそうでないのとがあるが、
私は、「秋草」「コンセプション」「柔らかい手」などが好き。
とくに、『秋草』では、秋草の描かれた金箔のはがれ落ちた襖絵に強く心惹かれる悦子を主人公に、逢うと情事は重ねるものの、男の心がとっくに自分から離れている、その寂しさを目の前の襖絵に見出してしまううちに情緒を崩してしまう悦子。
その悦子の想像を遥かに越えた行動にでる男を短い文章の中で端的に表現していると思った

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